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国産材コラム

冷房が苦手でも命のためには…

暮らし方上手

年々暑さが増しています。毎年勧めていたのですが、とうとう夫も通勤時に日傘デビューをしました。日傘男子も最近よく見かけるようになりましたね。

 

「家のつくりようは夏をもって旨とすべし」とする日本の古い民家は窓も多く風通しがよく、藁葺(わらぶき)等の断熱性能の高い屋根材で、天井裏も広く取られ、軒も深くして夏を木陰のように過ごせるように造られていました。

 

しかしそのような民家でも、今の夏は外気温が高く、風を通しても特に日中は熱風で涼しくは暮らせなくなっています。

築49年の木造2階建ての我が家は、断熱材が入っていません(改装の時1階の一部に入れました)。日中に冷房をかけている1階から階段を上がると頭から全身へ暑さが広がり、外気温度より高い2階は地獄です。2階の寝室は就寝時間より早めに冷房を入れて冷やさないと寝ることができません。夏場は屋根の断熱材が大切だと実感しています。

 

数年前に友人から聞いた話では、マンション一人暮らしの40代女性が冷房の冷たい風を嫌い、ベランダの窓を開けて扇風機で暑さを凌いでいたようです。しかし、その結果、熱中症で亡くなられたようです。水分補給の不足が原因かもしれませんが、その話を聞いてから躊躇なく室温が上がれば冷房を使用しています。私も冷房の冷たい風は好きではないので、嫌う方のお気持ちはよくわかりますが、今の暑さでは、上手に冷房を使うことが最善かと思います。

 

直接冷たい風が当たらないように、冷房の温度を調整し、足元を冷やさないようにと工夫しながらこの夏を凌いでいただきたいものです。

 

最近の気密性や断熱性が高い家でさえ、一度暑さが室内に入ると保温してしまうので、上手に冷房を使うことが前提になります。昨年、冷房が苦手で、Tシャツ等を軽く水で濡らし、気化熱(水が蒸発する時に熱を奪ってくれる)を利用して涼しく過ごされている方からもお話を伺いました。ご参考にして下さい。

 

(建築士・ライフオーガナイザー=細江由理子)

~2024年木族8月号より~

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