国産材コラム

TOP > 国産材コラム > きの家、木の家、スギの家

国産材コラム

「きの家、木の家、スギの家」コラムの記事一覧

足場板

きの家、木の家、スギの家

聞き書き 森・林業

◆足場板◆

住まいから和室が消え磨き丸太が売れなくなったというお話を前回、前々回にさせていただきました。

 

同じような例はたくさんあります。杭、電柱、鉄道の枕木などは、以前はもっぱら除伐・間伐材が使われ、山(森林)を育てる費用の一部となっていました。「使わない運動」が起こった割りばしも、薪(まき)燃料も主要材料は除伐・間伐材でした。

 

20年以上も前の話になりますが、協会に徳島の林家が訪れて、足場板用に育てた木を何かに使えないかとの相談を受けました(注・もちろん私が受けたのではありません。前の協会理事長・竹中さんです)。

 

日本の林業は別名「柱林業」とも呼ばれ、密に植えて除間伐を繰り返し、収穫する形が主体。足場板用の立木は寸法的にも柱角にはなり辛く、放置されていたのです。

 

足場板は、以前は建築工事などで多量に使われていましたが、これも金属製に変わり、今ではほとんど利用されません。そして生まれたのが・・・。

ひとりよがり

きの家、木の家、スギの家

聞き書き 森・林業

◆ひとりよがり◆

▽アジガサワスギ▽オウシュウスギ▽マキノサキスギ▽アキタスギ▽トウドウスギ▽ヤマノウチスギ▽チョウカイムラスギ▽アズマスギ▽ホンナスギ▽クマスギ▽アミダスギ▽ムラスギ▽タテヤマスギ▽ノトスギ▽ハクサンスギ▽イケダスギ▽ハンバラスギ▽ヘイセンジスギ▽イボラスギ▽イトシロスギ▽ムマイスギ▽カマクラスギ▽ホウライジスギ

 

以上は、日本海側のスギの天然品種と言われています。

スギにも種類がある。考えれば当然なのでしょうが、最初に耳にしたときは「衝撃」に近いものがありました。

 

 

今から20年以上前、機関誌「木族」の企画として「山からの手紙」の連載が始まりました。狙いは1面・題字の上に冠している「山と町・自然と人をつなぐ」です。今もそうですが、森を育てて林業を生業(なりわい)としている現場について理解されている町の人はやはり希少です。その現実を少しでも伝えることができれば・・・がテーマでした。

 

ただ、当時のバックナンバーを読み返すと、筆力もそうですが、山や森そのものへの思いの浅さを改めて認めざるを得ません。とにかく文章が「面白くない」のです。知識も不足、またお会いした人々の本音に迫ろうという気持ちさえ薄かったと反省しています。

 

この反省を踏まえて、不定期ながら、これまで教えてもらった山・森・林業のお話を改めて書かせていただきます。

 

「林業について語るとき、独りよがりになりがちなんです」冒頭のスギの品種の羅列はこの言葉に関連します。

 

(「木族」2015年8月号より)

いついかなるときも

きの家、木の家、スギの家

識者は言う。

「国家百年の計として、生活の場所を少しずつ、もっと

山手に移す必要があるのでは?」と。

 

あの、町全体が津波に飲みこまれる映像を見れば、至極

もっともな考えのように感じられる。

地震国・日本で海岸近くに住む限り、津波に襲われるリスクは

免れない。だから人は山に生活圏を移すべきか。

 

 

以前から、過疎化の問題もあって、人はもっと山に住んで

ほしいと思っていた。山を、森林を守っていくためにも、

山間の人口が増えて欲しいと。

 

ただ、日本中の人間が津波の恐怖から逃れようと山手へ山手へと

生活空間を移していくとどうなるか。素人考えかもしれないが、

今以上に「開発」という名の下に自然を破壊しかねないと懸念

される。当然、雨が多い日本列島、土砂災害、山崩れが頻発しないか。

 

よくよく考えると、洋上の国・ツバルの現状が他人事ではない。

「ガラスの地球」とはよく聞くが、最近の自然災害の多さに、

「吹けば飛ぶような日本列島」との言葉も出てきそうだ。

 

被災地の立ち直りを、祈るとともに信じている1人ではある。

そして南海大地震も噂される地区に生活している者として、

いずれは自然災害に遭遇するという「覚悟」だけは持っていたい。

 

今回、世界から賞賛された事柄を踏まえ、いついかなるときも、

冷静に、人間らしく行動したいと痛感している。祈・復興。

(「木族」2011年4月号より)

「見えないもの」が厄介

きの家、木の家、スギの家

『山に入るとクマが「出る」のではなく、クマはそこに「いる」んです』

-これは某環境NGOの説明。

 

ヒトが生活の向上を求め、また人口の増加を是とすることによって、

山は次々に住宅地にされる。そこに住んでいる多くの生き物(植物や

菌類も含む)は生きる場所を奪われる。

もちろん、これは人類が森を出たときから行われてきている事柄。

つまりはその延長線上にある。クマの被害は、クマにとっても悲しい

必然と言えるかも知れない。

 

問題としたいのは、もっと大きな規模での「自然界からの反抗」。

クマは具体的に目に見える。始末に負えないのは見えないものでは

ないだろうか。最初に挙げたいのは空気、また菌・ウイルス等々。

いったん問題が起きると対応は非常に困難になろう。

 

経産省は、CO2削減は企業が目標を決めるという他人任せの案を

提出した。首相自体、経済最優先の策しか考えていない。世界も

まだ環境問題を軽視しているように思える。

 

ヒトは「パン」だけでは生きられない。地球も「ヒト」だけで

守れるものではない。まずはヒト「だけ」の都合を考えるのを止めて

もらえないか。

多くの識者が、環境と経済は両立すると考えている。個々の利害を

叫ぶのではなく、この点をぜひ掘り下げていただきたい。

(「木族」2010年12月号より)

被害が深刻なのは?

きの家、木の家、スギの家

国の天然記念物に指定されている奈良公園のシカにボーガンで矢を放ち、死なせた者のニュースはまだ耳に新しい。さきごろ主犯に懲役6月(求刑・懲役10月)、もう1人には懲役6月執行猶予3年(同6月)の判決が出た。

 

 

一方、環境省は4月に施行された改正自然公園法に基づき、シカの食害から生態系を保全するため、知床国立公園と尾瀬国立公園で、生態系の維持回復事業(シカの駆除)を実施することを決めた。湿原や高山の貴重な植物を守るためシカの駆除を国の施策として実施するのは初めて。

北海道庁によると、知床も含む北海道東部のエゾシカの生息数は、93年度末の20万頭から、08年度末には26万頭に増えたと推定。尾瀬国立公園は、環境省によると、98年調査に比べ09年には3倍以上に急増したとされている。

 

さて、普通の山でもシカは増えている。このためせっかく植えたスギやヒノキの若芽、甘皮が食害に遭うという話は枚挙にいとまがない。

今後、国立公園や国定公園(柵で囲われてはいない)で駆除され始めれば、追われたシカはどこへ逃げる?近くの人工林でスギやヒノキを食害する可能性を考慮しているだろうか。

生態系の保護はもちろん大切だ。ただ、被害が深刻なのは原生林や国立公園だけではない。いま少し視野を広げてはいかが?

(「木族」2010年8月号より)

 

Copyright(C)NPO法人 国産材住宅推進協会 All Rights Reserved.