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「暮らし方上手」コラムの記事一覧

時間をかけて説明したい

暮らし方上手

【設計図面と検査画像】

今年のゴールデンウィークは、思いもよらず入院生活となりました。4月下旬、朝起きてから調子が悪く、朝食を作っている時に左手が痺れ、立っていられなくなりました。夫曰く目が泳いでいたとのこと。

 

すぐに受けたCT検査と血液検査では異常がなく、後日のMRI 検査で脳梗塞が見つかり着のみ着のまま即入院!すぐの24時間3日間の点滴治療が効き、幸いにも後遺症無しで6日間と短い期間で退院することができました。入院中は携帯電話持込と面会は禁止で、家族や周囲の人に私の様子が全くわからない状態になり、とても心配をおかけしました。携帯電話の有り難さと依存度の高さを実感しました。

 

回復後の検査関係も全て終わり主治医の説明にて、血管のエコー検査では動脈硬化はなく、飛んだ血栓の跡が見つからず、直接的な原因がわからないとのことでした。間接的な原因で思いあたるのは、4月の長男の大学入学とひとり暮らしの段取りのしわ寄せで睡眠時間を削って無理をしたこと、ウォーキングをせずに血圧の管理をしていなかったこと、パソコン等を長時間使っていたことです。仕事も含め生活そのものの改善がこれからの課題です。

 

CT やMRI 等の検査画像は、ほぼ初めて見るもので、主治医の説明の意味(右脳のこの血管は影になってて詰まってる)はわかっても、見慣れない画像なので、毎日のように見ている主治医のように理解が追い付きません。後から同席した家族に聞いても「詰まっていた事しかわからんかった」と。まあ、要点が分かったので良いのですが、なんかこれ図面と同じかも?

 

私は毎日のように図面を描いたり見たりするので、図面は日常にありますが、普段図面を見ないお施主様は説明は分かっても、今回私が感じたのと同じようにすぐ理解はしにくいのでは?と気付きました。改めて、図面を初めて見られる方を意識して、ゆっくり時間をかけて説明をするように心掛けたいと思いました。

 

(「木族」2022年6月号より)

亡き母の寂しさを思う日々

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春は出会いと別れの季節です。我が家の長男が念願の一人暮らしをすることになりました。3年前に自分の部屋ができてすぐに「大学では一人暮らしをしたい!」と言った長男です。一喜一憂した受験でしたが、地道に努力をして思いが実りました。

 

合格して喜んでいるのも束の間、短い期間で入学準備をし、下宿先を決めないといけないので慌ただしく、ましてや慣れない土地でのことで、長男だけでなく私たち夫婦も右往左往しています。

 

30年前、私が結婚で実家を出てから3か月経った頃、一人暮らしになった母から一通の手紙が届きました。未だ携帯電話の無い時代ですが、用件は電話でも済むだろうに何だろうか?と思いつつ封を切ると、「なんてあなたは薄情なんでしょう」ということを綿々とつづった思いがけない手紙でした。そんな手紙が来るとは予想もできませんでした。

 

そのころ私は、フルタイムで仕事をし、慣れない通勤の道のりや、今までしたことの無い家事に奮闘しながら目まぐるしい日々を過ごしていました。確かに母に対し「元気にしている?」と声を掛ける余裕もありませんでした。

 

すぐに謝りの電話は入れましたが、若い私は「こんなに頑張っているのに、私の様子も分かってもらえないのか‥」と母の寂しさより私のことを分かってもらえない悲しみを強く感じた苦い思い出です。

 

今ではその時の母の寂しさが痛い程分かり、本当に悪いことをしたと今更ながら亡き母に謝り直したい気持ちでいっぱいです。

まだ引っ越し前なので、長男の巣立ちの実感はないですが、一つ一つ手続きが進み、刻々とその時が近づいています。親の皆が一度は通る道なんでしょうね。

 

(「木族」2022年4月号より)

分かっていただけるまで

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新築マンション(建設中)を購入された若いご夫妻から、収納や片付けの方法を教えて欲しいとご依頼を頂きました。今住まわれている賃貸マンションでのお打合せ。「片付いてなくてすみません…」と申し訳なさそうにされていましたが、見せて頂くと、お二人の生活には少し手狭な広さで、二人の趣味のモノがリビングにあふれているだけです。新居は広くなるので、問題なく片付けができそうで、片付けの基本とポイントの説明だけをして終わりました。本来なら次は新居の確認ですが、それをするまでもありません。

 

見せてもらった新居の図面は、豪華なパンフレットの中にある平面図1枚。以前、比較的新しいマンション改装のご依頼の時にも見たことのある、大まかな寸法とコンセントの位置等が記載され、間取りと畳敷がわかる程度の図面ですが、現場調査時は参考になり、あると助かります。

 

収納の広さを気にされていたので、図面に描かれている収納部分の説明をすると「え?そんなふうになっているのですか?」と言われ、パンフレットの写真を見ながら細かく説明したら理解されました。マンションのショールームで仮の室内を体験したようですが、この図面やイメージ写真が頭の中では繋がってなかったようです。設計からでなく営業さんからの説明しかないとなれば尚更でしょう。

 

マンションの建設用図面の枚数は、戸建て住宅より遥かに多く、そこまでお施主様が目を通す必要性はありませんが、人気の住宅地で高額なマンションなのに、その購入の判断をするのに豪華なパンフレットに平面図1枚だけしかないのはもの足りなく感じました。

 

それと共に、図面に携わる仕事をしている人以外、図面がわからないのは当たり前なので、図面の枚数以前に、担当者と一緒に、分かっていただけるまで確認をすることがお互いに大切だ。私も気が引き締まりました。

 

(「木族」2022年2月号より)

365日快適空間も可能

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もう30年前になりますが、快適になる住まいづくりを心掛けるきっかけになったのが、結婚をして家事や生活をするのが嫌になる(?)ハイツに住んだ経験からです。

 

それまで私は実家暮らしで、母が専業主婦だったこともあり、恥ずかしながら家事を全くしていなかったので、初めてのことばかりで大変でした。

 

毎日家事と仕事に追われましたが、やっと一通りのことに慣れてくると、家の間取りと方位のことが気になってきました。

陽射しのことが全く考えられていないハイツで、朝早くから洗濯物を干してもお昼には陰ってしまい、特に冬場は洗濯物が全く乾きません。

 

西日が強く入るダイニングキッチンは、夏は暑くて首にタオルを巻きながらの夕食作りでヘトヘトになり、窓のない暗いリビングのほうが涼しいので、外が明るい時間帯にもかかわらず照明をつけて食事をしました。

 

本当に欲しいところに陽射しが入らないだけで、こんなに家事や生活がしにくいかと痛感しました。

 

改装や新築(建て替え)のご相談をいただきお住まいを拝見させていただくと、デザインを優先したのか、陽の入り方や風の通りが悪かったり、家事をしたことのない方が設計したのか、家事動線の悪い間取りだったりします。

 

なので過去の経験から、日本の風土に合った国産材を適材適所に使い、家事動線の良い間取りで、風通しや日当たりが良く、永く心地よく住める家を施主様と一緒につくっていく様心掛けています。施主様から「心地良く過ごしています」とお引越し後に言っていただくのが私が設計という仕事をするやりがいであり喜びです。

 

もし、陽当り、風通し、間取りでお悩みなら、お気軽にご相談下さい。ひょっとしてその住みづらい場所を、365日快適な空間にしましょう。

 

(「木族」2021年12月号より)

 

気持ち次第でチャンスあり

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私も50歳半ば。体調というか身体の働き?が以前と変わってきていることを実感しています。

 

ちょうどコロナ前に体調が優れない日が続き、もしかして…と思い血圧を測ると少し高め。

 

母が同じく50歳代で高血圧になり、亡くなるまで血圧を下げる薬を服用していました。母は胃腸が弱く薬も負担で苦労していたので、私はその薬を飲むことにとても抵抗があります。

 

その時はまだ少し高いだけだったので真剣に調べることなく、今思い返すと、コロナで一時期仕事のペースが緩くなり、長女と一緒にウォーキングする時間も増えたためか、自然と体調も戻っていきました。

 

しかしこの春頃から、再び体調が優れず疲れがとれない感じが続いて、更年期かなぁ…と思いつつ、7月に夫から「血圧測っている?」と聞かれ恐る恐る血圧を測ると前より高く、慌てて薬を使わず血圧を下げる方法を調べました。

 

心を決めてできることから実践し、最近やっと血圧はほぼ正常値まで下がり、ひと安心しているところです。

 

そんな折、海外に住む友人がSNSで紹介していた建築家・安藤忠雄さんのインタビュー記事に、思いがけず励まされました。

 

79歳になった安藤さんは、ガンの手術で2回に分けて5つの臓器を摘出されているにも関わらず、ガンを患う前より体調がよいそうです。理由は、主治医に「2つだけ守ってもらえれば、元気に過ごせます」と言われ実践されているからです。

 

ひとつめは消火器系の内臓負担を軽減するために食事をよく噛み40分かけること。『耳が痛い』という人も多いと思いますが、日本人の平均食事時間は10分。案外できていないことなんです。

 

ふたつめは、1日1万歩は歩くこと。これは私も今、できる限り実践しています。これも意識しないとできないでしょう。

 

そして何より励まされたのは、安藤さんがご自身の事務所の所員さん(50歳)に掛けられた言葉。「今から新しいことを始めても80歳までまだ30年ある。気持ち次第で、これから先いくらでもチャンスはあるよ」

 

老いを感じ始める50歳代。身体だけでなく心も老いていきそうになりますが、今の私にとても沁みた言葉でした。何事もあきらめずにがんばりましょう!

 

(「木族」2021年10月号より)

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