国産材コラム

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自衛隊OBを日本の林業に生かせ!

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先日行った高知ツアーで参加者からおもしろいご提案をいただいた。

なんでも自衛隊の定年は54歳だとか。いろんな試練を受け、あらゆる

能力を身に付けた隊員が、54歳の若さでリタイアするのはあまりにも

忍びなく勿体無いという。何を隠そう彼女のご主人も現役の自衛官です。

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そこで提案として、

国土・国民を守る自衛隊の力を、日本の森林を守ることにシフトすれば

一石二鳥だと熱く語られ、参加者全員が彼女の提案に頷きました。

それにはやはり自衛官である内に、山や林業に対しての教育が

必要であり、林業支援の間伐や路網づくりの実習など欠かせない

ところです。日ごろハードな演習で鍛えられた身体と洞察力で

山に入れば、瞬く間に山の整備も進むような、そんな説得力の

あるお話でした。

まず、現在のもつれ過ぎた国会の風通しを良くし、国政に本腰

入れてもらわんことには箸にも棒にもかかりませんが・・・・

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(間伐など手入れのされていない林)

それにしても自衛官の定年が54歳とは知らんかったなぁ

 

 

五感を育む住いづくり《山林》

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(山林 2003.7掲載分) 五感を育くむ住まいを 

 家造りはどこまでエスカレートするのだろうか。

 シックハウスの対応策として、7月より居室には基本的に24時間対応の

換気扇の設置が義務付けられる。1時間に部屋の空気が半分入れ替わる

機能を有するものとある。 内装の使用制限もあり、今までFCO、EOと表示

されていた合板などはF☆☆☆となり、居室面積の2倍までの使用しか認

められない。4、5年前に一番利用の多かったFC1,E1合板は床面積の30%

までの使用となり、当然のことながら各建材メーカーは使用制限のない

F☆☆☆☆(ホルムアルデヒドの放散量が0.005㎎/㎥・h)の認証を受ける

ことに躍起である。 内装制限までは理解できたとしても換気扇設置の義務

付けは如何ともしがたい。

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 1時間に居室の半分の換気能力の根拠が業界紙に載っていた。窒息しない

ための一人あたりの空気量は1時間30㎥、4人家族で120㎥必要である。

延べ面積100㎡(天井高2.5mとして)の空気量を計算すると250㎥となり、

120÷250=0.48と、約半分ということらしい。

 ついでに窓を開放すればどれくらいの換気が出来るかということであるが、

2m×2mの窓に風速2mの風が吹けば1秒の風量は8㎥になり、たったの

15秒で1時間あたり4人に必要な換気量が確保できる。

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 可能な限り自然素材を使った家づくりに取り組んでいるが、土と木と紙だけ

の家であっても換気扇は免れないという。引渡し後に搬入する家具などから

の化学物質を懸念してとのこと。

 唯一、容認されるのは木造在来工法で、尚且つ、外部建具を木製建具

(輸入木製建具など気密性の高いものは含まない)としたものとある。自然派

志向といえども今時高価な木製建具を望む人は少ない。高気密・高断熱に

24時間換気扇回しっぱなしの居住空間が果たして快適といえるだろうか。

窓があっても開けない人もいれば、換気扇を回さない人もいる。むしろ経済

性から考えれば後者が多い。そこまで言うのなら換気扇を回さない人に

罰則でも設けるのだろうか。

 それでも説明会に何度か参加するが「ハイハイいらっしゃい」とばかりに

換気扇メーカーのパンフレットが並ぶが、限られた予算枠から又、出費を

強いることになると思えばあまり喜ぶ気にはならない。

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 もともとシックハウスは簡便に、より安価に、早く多くを求め過ぎ、新建材

づけの住まい造りに走りすぎたことに始まる。そこに省エネの観点から密閉

型の家造りが拍車をかけた。現在もその方向があまり変わっているとも思

えず、相変わらず価格競争が止まることをしない以上、今度はその皺寄せ

がどこにいくのか不安になる。

 住まいとは子供を育て、家族の日々を癒す場である。成長期にあって

五感は生活の中で自ずと養われるもの。庭の花を美しいと感じる心も、

小鳥の声や雨だれの音、木や土の香り、通り抜ける風の感触など数え

ればきりがない。その中からものの哀れも慈しみも、危険を察知する

能力も培われる。

 化学物質はごめんだが、全て機械力で管理された快適さに何を委ね

るのだろうか。

マンション生活で外出時にあまりの外気温との差に面食らうことがしば

しばある。雨音が聞こえず外に出て雨に気付いた経験はないだろうか。

 住宅建材ばかりでなく、衣服やカーテン、様々な生活用品まで化学

物質が含まれるとあっての換気扇設置の義務付けと思われるが、

あてがいぶちの住まい造りが、親として一つ一つ吟味し選択し係わる

はずの人間の巣を如何に変えてしまったことか。

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 木造住宅の耐用年数は25年と公然と言い切る建築士がいてビック

リしたことがあるが、構造見学会で「この家は100年持ちますか」と

いった質問を受けることがある。

 「何の手入れをしなくても木の育った年齢と同じ50~60年は持つが、

あとは生活する人がどれだけの愛情を持ってその家に関わるかです」

と答えることにしている。

今回の換気扇設置は取り敢えずの愛情ということか…。

心配せんでええ《山林より》

その他

(山林 2003.6掲載分) 心配せんでええ…

 桜だよりの聞かれるころTさんの訃報を受けた。車椅子生活で一人暮らし

をしていたTさん(75才)の異変を知ったのは、三日に一度の訪問介護に来

るヘルパーさんであった。セキュリティー会社に連絡をし、浴室で倒れてい

たTさんを発見した時は既に亡くなっておられたらしい。セキュリティーの第

一通報場所として一年前に新築を請け負った建築士事務所「民家」が登録

されていたという。

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 住まいに関する想いは千差万別であり、こだわりを持つ人も多いが、17年

も前からセミナーに通い続けたTさんは格別であった。糖尿から腎臓を患い、

出会ったころ既に透析を受けておられた。セミナーや見学会でお見かけする

が、年々歩くのが不自由になり杖をついて参加されるようになっていた。

 そのTさんから平成11年の秋口に建築の相談にのって欲しいという電話が

あり早速訪ねた。

 先ず、街中にタイムスリップしたように建つ茅葺屋根にトタンという佇まい

に驚かされた。玄関に六帖間が三つと台所といった田の字型間取りに、

トイレは7mも離れた屋外に建っている。既に玄関戸はその機能を果せず、

勝手口から座敷に上がる。六畳いっぱいに敷かれた万年床に足の踏み

場もなく、二匹の油虫の死骸がころがり、奥の天井には雨漏りを受けて

いたのか黒いビニール袋がぶら下がったままで埃をかぶっている。

 二年前に奥様が亡くなり、疎遠になった兄が一人居るが、何をするにも

体が不自由で思うに任せないと嘆かれた。

 100年前に魚屋をしていた叔父が借地の上に建てたもので、国鉄マン

であったTさんがその後を継ぎ移り住んだと伺った。

 地主から借地上の建物を建て替える了解を求めることの難しさや、

新築をするには相当のエネルギーを要し体力的にも無理があると説得

し、介護つきの老人ホームに入寮することを勧めて帰った。

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 ところが平成12年の正月明けに再度、Tさんより「やっぱり家を建てる」

という連絡があり地主を説得し既に新築の了解を得ていると言う。

心なしか声も弾んでいる。水を差す気はなかったが、覚悟の程を知りた

くて「なぜそこまでして家を建てたいの」に「金を残して死んでもしゃあな

い」と笑った。

 なぜ地主が借地に建て替えを認めたのか、何か裏がありそうで不安

もあったが、とりあえず設計打合せがスタートした。打合せ場所はTさん

の配慮で近くの公園ですることとなったが、数回打合せをしたところで

連絡が取れなくなった。数日後、看護婦さんを通じてTさんが骨折して

入院していることが解った。心配して見舞ったが、ころんで鎖骨を折った

というTさんの「2、3カ月待って欲しい」と案外明るい表情に安堵した。

 ところが退院したのもつかの間、又もや転倒し大腿骨を骨折したの

である。

 紙おむつをし寝たきり状態のTさんが一回り小さくなっていた。土色の

顔にTさんとの別れを想い、計画も消滅したと感じた。ただ身寄りのない

Tさんをそのままにする気になれず、一カ月に一度の見舞いを続けること

にした。六カ月経ったころ又してもTさんの「リハビリも始めたので」という

電話に、生半可でない決意を感じた。

 100年間整理をしたことがないという引越しの片付は、専門会社の四人

の女性スタッフと「民家」の立会いの下、Tさんがチェックをし四日を掛けて

行われた。

 古ぼけたピアノが一台、埋もれた家財道具の中から現れた時のことで

ある。「女房の形見や」ポツリと呟いた言葉に、気丈に生きてきたTさんの

心の中を垣間見たような気がした。

 相談を受けてから丸三年を費やし工事契約は成立したが、設計担当の

25坪程度の平屋の提案を覆し、延42坪(二階建て)にエレベーターを設置、

一階に水周りを配し二階は寝室と仏間のある和室になった。

 一人住まいには贅沢なものとなったが、車椅子生活を一人ですることを

配慮し出入り口は電動式とした。

 Tさんは奥様の真新しい仏壇前に、膝枕で眠るように満たされた表情で

横たわり、寝室の片隅にピアノが慎ましやかにことの流れを受け止めて

いた。契約目前に、工事途中に如何なることが生じても、建物は最後ま

で仕上げることを契約書に明記して欲しいとお願いした「大丈夫や心配

せんでええ」といった言葉が耳に残る。

六カ月という短い新居生活であったが、エネルギーを使い切るまでに彼

を突き動かしたものが何であったのか、おぼろげながら解ったような気が

した。

今、山からの訴えこそ・・《山林》

その他

(山林 2003.4掲載分) 今、山からの訴えこそ…

暖かくなればあちこちで環境団体のイベントが繰り広げられる。国産材住宅

推進協会もあらゆるイベントに参加し、山の実績と国産材の利用を呼びかけ

てきた。 昭和60年頃、大阪城公園で毎年行われていた「たべものと暮らし

を変えよう大阪フェスティバル」というイベントがあった。

 使い捨て文化を問い直し、ほんものを大切にする暮らしを目指そうをスローガン

にし、人々が健康で生きられるために森林、川、土、海など自然を愛し、守り、

それらを有効に活用できる暮らしを…、食品添加物、化学肥料など含まない

食品を…、プラスティックより自然のぬくもりある木工品を使おうなど具体的に

打ち出し、それぞれに関連のある100団体が参加する大イベントである。

 参加者10万人を目指すとあれば僅か二日間であっても費やしたエネルギー

は並大抵のものではない。第一回目は延べ25坪のスギ(直径25㎝)のログ

ハウスを二日がかりで建て上げ、抽選で希望者にプレゼントした。

 その後、杉丸太のアスレチック、杉の塔(葉つき)、3mの巨大コマ回しと

続けた。こだわりの食品が各テントに並ぶ中、徹夜で作ったおでん、甘酒、

焼ソバ、水餃子なども販売した。主義主張が明確で、使い捨ての発泡スチ

ロールのお皿などは一切使用禁止で陶器などの食器が指定された。

 一度大バッシングを受けたことがある。市販のフランクフルトを焼いて販売

し、近隣の無添加の食材を販売していた障害者団体から涙の抗議を受けた

のである。

 「食」にこだわる人は「住」にもこだわりを持つことが多いが、「住」にこだわ

る者に「食」への認識が甘かった。平謝りに謝り、意識レベルの低さが露呈

した恥ずかしい想い出が残った。

 又、奈良県のある村からイベント応援でイノシシの「ウリ坊」を連れてきた

ことがある。村で育てたイノシシを「ぼたん肉」としてふるさと便で宅配する

企画があり、その宣伝のための「ウリ坊」であったが、可愛いしぐさに参加

者は大喜びで、それを食べるという発想に結びつけるにはかなりの勇気を

要し「ぼたん肉」のチラシは一枚も日の目を見なかった。「子牛の丸焼き」

などのイベントも出展されているのだが…、なにやら「かわいそうだから木

を切るのを止めて」とどう違うのか、ふと考えさせられた。

 このイベントがなくなって久しいが、最近これほど考え方を前に出した

イベントになかなか巡り合えない。何をテーマにしたイベントなのか判断

がつかず、単なるお祭りに終始しているようで、思想のないイベントほど

つまらないものはないとつくづく想う。

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 二月に滋賀県の林業家を機関誌「木族」の取材で訪ねた折り、珍しく

山の人からイベントの話を伺った。都会の人にも山に目を向けてもらう為

には「関西の水がめを守っている一人として、丸太を担いで御堂筋を歩く

ぐらいのことをやらなあかん」と仲間内で話されているらしい。

 かつて欠陥住宅の追放運動をしていた時に御堂筋を歩いたことがある。

白バイを先導に200人の建築関係、主婦、学生などで大阪城から本町ま

で、首に欠陥住宅のパネルをぶら下げ、「欠陥住宅を撲滅しよう」とシュプ

レヒコールしながら歩いたことを思い出した。

 ご多分に漏れず山は厳しい状況ではあるが、手入れは怠っていない。

今は山を遊ばせてもらっていると言われるだけあって、琵琶湖を一望でき

る頂上に小屋を組まれ、ことあるごとに仲間と集い季節を愛で宴に花を咲

かせておられるとか。今、一番の気がかりは90歳のおじいちゃんが亡くな

った時、物納は利かないし、相続税をどうしようかということらしい。

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 数日後、便りが届いた。『木族の新聞を拝見いたしました。「御堂筋を

デモ行進」のタイトルを大きく載せていただき、どのような反響があるか楽

しみです。私も、あのお話をさせていただくまでは実現不可能なことと想

っていましたが、「やりましょう」というお声を聞き山関係の人にも話をして

います。山林所有者、素材業者、建築関係、環境保護団体など、手を取

り合って国産材の利用促進・環境保全、林業の活性のために、一般の方

に今一度考えてもらうためにも仲間を増やして実現できればと思います』

 滋賀県は環境意識の高い地域である。琵琶湖の水質を守るために

行政と市民団体が手を繋ぎ、合成洗剤の与える環境汚染を訴え、石鹸の

奨励など台所から環境に目を転じさせたところである。

 行動するに遅きはない、他力本願でなく山からの訴えこそ、今、必要

ではないだろうか。

 

坪単価この不可思議なるもの《山林》

その他

(山林 2003.3掲載) 坪単価 この不可思議なるもの

「ところで、坪単価はおいくらですか」

 建築の会話に必ず出てくる質問である。聞いた後も「アアそうですか」で

終わる人も少なく、内容も聞かないで「高いですね」と続く。

 セミナーや見学会などあらゆる場所で「坪単価で価値判断するのはやめ

よう」と訴えている。坪単価で比較が出来るのは、建築工法などの選択肢

が少ない時代にあって、工務店なり大工がその地場で同じような形の家を

建てる時、発注する目安として使われてきた言葉である。

ハウスメーカーが住宅展示場という同じ枠内で、価格協定を設けた上に立っ

て、メーカー同士の比較判断であればまだ頷ける。ガラス一つをとっても

ペアなのか、網入りなのか、ピアノ線入りなのか、選択肢は多い。要望も

多様化した現在にあって、坪単価で判断するほど馬鹿げたことはない。

 住まいづくりに際し「坪単価」はあくまでも予算組みの目安に過ぎないが、

建築関係者でさえ「高い、安い」を平易に口にし、いわんや生活者は比較

判断へと移行するから怖い。

 震災後の復興で坪単価100万円の家を建てたと言えば、殆どの人は

「ホォー」と溜息をもらす。ところが一階、二階合わせて延面積14坪で

1,400万円と聞けば妙に納得するからおかしい。最近、現場見学会でも、

この家の建築費は総額○○円です、と敢えて坪単価を公表しない。

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 ハウスメーカーなどには本体価格が設定され、オプションという足し算形式で

個々の建築費を算出する。一般に公表する坪単価は本体価格のみを延坪で

割ったものであり、総工事費を割ったものと比較にはならない。

 坪単価による価格競争は、ともすれば見てくれ重視に追随し、節も多く扱い

難い国産材を片隅に追いやったきらいはないだろうか。

 1月に築25年の中古住宅(延面積120㎡)の改装を依頼された。殆どの壁、

床、天井、キッチン、便所2箇所を全て取り替え、間取り変更、サッシ2箇所

新設、建具取り替え、バリヤフリーにと要望は盛りだくさんである。

 予算はと伺えば、涼しい顔で300万円を提示されるが、一般的な建材で

仕上げても予算の3倍はかかりそうな内容である。

 その上、7件の工務店に合い見積もりを取っていると聞けば、どこであって

も逃げたくなるが、どうやらテレビの増改築番組の影響があるようで、

その程度の予算で出来ると判断されたようだ。ゴールデンタイムのテレビ

放映であれば大抵の工務店は無理をしても請けるだろう。

 増改築は新築以上に判断が難しく、既存建物をどこまで補強するかに

よっても違ってくる。

 予算内に収めるために現場監督と大工がもめる事もある。予算内に収

めることと経験から割り出した60歳代監督の提案する補強梁が気に入らず、

若い大工は既存梁を取り外し4m間に39㎝成の杉を入れ替えると主張し、

真っ向から衝突した。どちらも引かず判断を委ねられた。

 経済性と工期と建物をもたすという観点から考えればなるほど監督の

主張が正しかったが、若い大工の主張は違っていた。

 補強梁を既存梁に添え、ボルト2本を堅結する手間を考えれば、

取り替えた方が良いこと、今まで国産材を使い骨太の住まいづくりを

続けてきて、それを信頼してこの建築を依頼されたお施主さんがいる

と語った。

 この大工は7年前に在来軸組の大工を志願し、傘下の棟梁の下で

修業をしているが、技術だけでなく冷静な判断力に大きな成長を感じた。

どちらを選択したかは言うまでもないが、入居後の建主の便りに、

その梁が現場に持ち込まれた時の驚きと感動が綴られていた。

 驚くことに、前述の増改築に300万円の予算で施工するという

専門業者が現れたと聞いた。長引く不況で無理な工事も請け負う

施工者は多いが、どんな方法でするのか覗いてみたい。

 他社で取った見積書を見ただけで「高い」と提言し、施工内容も

熟知せず安価に請け負う業者も増えていると聞くが、自由競争で

あれば文句のつけようもない。

 30坪で2階建て、瓦葺、竹小舞に土壁仕様を1,700万円で請け負

った業者が、上棟後大工への支払いが滞り、工事はストップしたまま

になっている。

建主の説明に依れば、坪55万円(他者の合い見積り2,300万円)で、

安価に土壁の家が出来ると言われ契約したが、外構工事を含め

1,400万円の支払をしているためどうにもならないという。

 経験からすれば他者の見積り額が妥当と思われる。不動産に掘り

出し物はないというが、安価なものにはそれなりの理由がある。

失敗しないためには若い大工のような冷静な価値判断を養うことであろう。

 

 

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