7月初旬、兄が職場(群馬県)で倒れ救急車で運ばれた、と姉から電話が入り緊張が走りました。兄は5月に還暦を迎えたところ。心臓から血栓が飛び、重度の脳梗塞で左半身麻痺な上、既往症もあり起き上がれず、意識はありますが話せません。その後、2度命が危ない状態になりましたが、今は容態が落ち着き、命が助かったことに感謝しています。
兄は独身なので、末っ子の私がゆくゆくは介護や最期を看ることになると覚悟はしていましたが、20年以上も後と思っていたので、目の前にいきなり何かを突きつけられたようです。
職場の鍵のかかったロッカーに兄の鞄があり、このことを予測していたかのように暗証番号以外の全ての貴重品と健康診断の結果表が入っていました。
兄の住まい(埼玉県)はエレベーターの無い賃貸マンションの2階。兄が退職後に住む予定だった実家(神戸市)もエレベーターの無い分譲マンションの3階。とても悲しいのですが、到底どちらの住まいにも戻れる見込みはありません。兄が帰りたい居場所を早々に無くしていくのも心が痛みますが、誰も住まないのに家賃や経費がかかるのが現実で、先延ばしも難しいです。
携帯電話は、パスワードがわからないので開けず、今では電池切れをしています。職場の駐車場には、通勤用に長年乘っている愛車を停めたまま。
浜松で高齢のお姑さんの面倒をみている姉と、順を追って一つずつ片付けていこうと言っていますが、お互いの仕事や家庭があるのと、遠方なのでなかなか進みません。
よくお施主様から実家終いや、介護の段取り等が大変だったとは聞いていましたが、問題山積で溜息しかでません。できる範囲でリハビリが始まったようです。病院の規則で15分しか面会できませんが応援に行こうと思います。私にできることはそれ位しかありません。
(建築士・ライフオーガナイザー=細江由理子)
~2023年木族10月号より~