現場で余った木っ端を近所の保育園の木工教室の材料に役立ててもらう活動を始めて1年。先日、その保育園のイベントに出店する機会を頂きました。
たくさんのカンナ屑を用意して、大人にはカンナ屑で作るバラの教室、子供たちには、カンナ屑を小屋いっぱいに敷き詰めて中で遊んでもらう、カンナ屑プールを用意。おかげさまで大盛況。子供達の歓声が耳に、心地の良い疲労感が両足に残りました。
イベント後、保育園の先生に呼ばれ手渡されたのが、木工教室で遊ぶ園児からのお礼の手紙。手紙の中には、好きな色はなんですか?など可愛らしい質問に混じって
「中津さんが山から木を切ってくれるの?」
「どこで木を切ってきたの?」
「いつもは何をしているの?」
と、細やかな気づきを感じる質問が多く、感銘を受けました。
きっと木工で使っている「木」を見ているときに、この木はどこからやってきたのだろう?誰が切っているんだろう?この木を持ってくる人は何をしている人なんだろう?と疑問が生まれたのだと思います。
実はこれはとても凄いことで、ある意味子供だからこその疑問なのかもしれません。たとえば、普段生活している中で、手に触れる物、例えば、文房具や携帯電話、食べ物、そのルーツや作っている人、どんな物流の中で手元にやってくるのか、大人になると、知った気になったまま、疑問に思うことすら無いのではないでしょうか?
先ほどの質問の答えには、林業という職業があること、木にも産地があること、大工さん以外にもその木を使って家を建てる様々な職業の人がいる事を知るチャンスがあります。
木について知る機会をまだまだ作っていかなくちゃいけないなと、来年のイベントに気合を入れ直すのでした。
(2022年木族12月号より)