お片付けといえば、年末をイメージされる方もいると思いますが、今のように気候のよい秋や春に作業をするほうがとても効率よくできます。
住まいづくりのお話しをしていると、よく「実家が片付いてなくて・・・」「若い頃はまだちゃんとしていたけど、歳を重ねるとあちこちにモノを置きっぱなしにして子供から𠮟られてます」と両方からの声を耳にします。子世代としては手伝いたくても自分の生活が忙しく、親御さんとしては、わかってはいるけど億劫で体力気力ともに手を付けられないのでしょう。
1月に母の3回忌も終わり、気持ちもやっと落ち着いたので、先延ばしにしていた母の衣服の整理をこの春にしました。母は近所のサークルで裁縫を習っていたので、ほとんどが手作りの服。手に取ると着ている母の風景が思い浮かび、幾度も手が止まってしまい、思っていた以上になかなか辛い作業でした。母の好みや体型にあわせた服は誰も着ることができないので、思い出にとっておく数枚以外は全て処分することに・・・。
歳を重ねてモノも多くなり、快適に生活することができなくなっている親御さんを持つ方、お忙しいでしょうが、一緒にお片付けする時間を作って欲しいと思います。時には喧嘩にもなるかもしれませんが、それもいい思い出です。そして親御さんも、快適にするための片付けを少しずつでもこの秋の日に始めてみませんか?
(「木族」2019年10月号より)