前回は、香害=匂いがあって困ることでしたが、匂いがなくて困ることもあります。
長女を出産して半年位経った頃、朝にゴミをを出しに家の前へ出ると、近くに白アリ駆除の車が停まっていました。私は、どんな薬剤を使うんだろうか・・・と不安に思いじっと見ていたら、それに気がついた作業服を着た人が大きな声で「安心して下さい、匂いはありませんから」と声をかけてきました。私は思わず絶句し、苦笑いをしながら家の中に入り、すべての窓を閉めたのは言うまでもありません。白アリ駆除でも、安全性の高いものもありますが、薬剤には間違いありません。微量でも幼い子どもには影響が大きいので避けたいものです。
案外気軽に使われている衣類の防虫剤も同じです。衣類に防虫剤の臭いがつくのが嫌で無臭タイプを使われている方も多いと思います。防虫剤は、密閉すると効果的ですが、衣類ケースやタンス類からは徐々に漏れていて、それらを置いている部屋、特に寝室は気がつかないうちに長時間吸い込んでいることになります。防虫剤を使わないと不安な方は、使っているケースやタンスを寝室や普段よく使う部屋から離したほうが安全です。
一番お薦めしたいのは、防虫剤を使わない方法です。衣類につく虫は、動物繊維(毛・絹等)を食べ、それ以外の繊維でも汚れや汗がついていると同じように被害にあいます。保管する時には、まずしっかり洗濯して汚れや汗を落とし、動物繊維や大切にしたい衣類は、密閉できる袋によく乾いた状態で脱酸素剤と一緒に入れるだけです。脱酸素剤の入手は最近簡単にできますし、圧縮袋とセットされている製品もあります。一度お試しください。
(「木族」2018年4月号より)