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国産材コラム

売れなくとも作り続ける?

その日ぐらし

先日カクダイという水栓メーカーの方が営業に来られました。もし機会がありましたらカクダイのWEBカタログ見てみてください。最初こそ普通ですが、330ページ辺りからバナナや消火器、寿司におでんと、不思議水栓のオンパレード。まっとうな商品が廃番になる中、それらは廃番になるどころか更に進化しているから驚きです。

 

「この寿司水栓って売れてるんですか」と営業さんに聞くと、「自分が担当しているエリアで出たことはありません」とのこと。ではなぜ作り続けるのか。それは社長の発案で、面白い商品を作ることでメディアやSNSで話題になり、企業の宣伝になっているのだとか。私もこれを書いている時点で策にハマった1人です。

 

そんな社長の人となりを見てみると、裕福な家庭に生まれるも幼少期にイジメに合い、身を守るため自虐キャラを確立。今ではそれが経営理念となり、社長をはじめ弱キャラ集団であるカクダイは、個性を活かし、競争を避け、独自の道を歩んでいるのだそうです。有名アーティストのレコードジャケットをパロディ化している表紙はカタログが出るたび話題となり、今作はピンクフロイドを見事にパロっています。カタログを見る度、企画を考える人は楽しそうだなと勝手に想像しています。

 

(建築士事務所民家・設計部=矢野祐子)

~2024年木族6月号より~

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