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国産材コラム

木材価格は大差がありません

暮らし下手

「国産無垢材の家って憧れるのですが、実際高いですよね?」と先日見学会の後にこそっと聞かれました。確かに高いイメージはあるとは思いますが、その答えはYESであってNOでもあります。このあたり今一度説明したいと思います。

 

純粋に木材の価格だけで考えると、少し強引に言えば大差はありません。そもそも家一軒に占める構造材の価格は、住宅価格の10~15%なので、2千万円の家であれば、構造材価格は200万円程度、これが外国産材になれば半分になるという訳でもなく、価格差を大きく見積もっても、30万円程度にしかなりません。ましてや、ウッドショックや近年の外国産材の供給の不安定さを考慮すれば、材質も良く日本の風土にあった材料を長く住み続ける家に使えるなら安いのではないでしょうか?

 

しかし、実際に家を建てるとなると、どうも国産無垢材の家は高く見える。それは国産無垢材を使うビルダーのほとんどが「注文住宅」として新築を請け負っているからです。「注文住宅」の時点で設計費用や建築費用は、当然、量産の家とは価格が大きく変わってきます。

 

また国産無垢材を扱うビルダーは、当然国産材を知り尽くし無垢材を扱うのに馴れた大工の技術力が必要になります。それなりに気を使う分、合わせて見えない箇所であっても妥協が出来ないため、総じてアベレージの高い家づくりになる傾向があります。

 

家の価格は単に材料だけではありません。職人や見えないところにも費用がかかってきます。あえて言えば、木の値段はそれほど変わりませんが、量産の家とは一味違った丁寧な「き」の使い方に価格の差が表れてきます。

 

(建築士事務所民家・設計部=中津真)

~2023年木族12月号より~

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