雑誌にサザエさん家の30坪(平屋)程度の間取り図が紹介
されていた。6畳のお茶の間を中心に家族の部屋が
配されている。お世辞にも良い間取りとは言えないが、
台所脇の6畳の茶の間を中心に、豊かな会話と笑いが
生活を育んでいる。
その笑いを今の社会に当てはめれば、大家さんの柿を失敬すれば
窃盗罪、ボールでガラスを割ろうものなら保証問題に発展し、
ゲンコツ一つで暴力沙汰になる。どこをとってもユーモアには
繋がらず、社会的制裁が待っている。なんとも難しい世の中だ。
それぞれの権利主張が強すぎて、会話のキャッチボールも
ままならない。問題を楽しく論じ合い明日につなげる方法は
無いものか。生きた社会を学ぶ「よのなか」科の授業で知られる
藤原和博教授の話が新聞に載っていた。
小・中学生の時から身近な問題で討論する経験を積ませた方が
良いという。大人社会でも異論を唱える人がいれば必死になって
説得しようと試みるが、相手の抵抗が大きければ激論となり、
いやな感情が支配する。教授は人の意見をリスペクトする
ことを教えることが大切だと言う。
意見がぶつかっても人格でぶつかった訳でないことを解らす
必要があるとも。
多くの課題を山積みにし、今年も余すところ1か月。住宅は
ここ5年で性能評価や長期優良住宅、次世代省エネ基準と、
めまぐるしい変化を遂げてきた。
住宅エコポイントから地域型住宅ブランド化事業など120万円
の高額補助金の支給と様々な施策がとられている。加えて
12月から低炭素住宅認定制度がスタートする。
メリットは減税によるところが多いが、エコポイントを遙かに
凌ぐメリットになるという。温暖化防止と経済活性を願っての
施策はよしとして、一番重大で厄介な問題は後回しにされ勝ちだ。
「杉の放射能は大丈夫ですか、汚染された木材が流通してると
聞いたんですが」幼子を抱えたお母さんがセミナーで質問した。
思わず名古屋以西の材だから大丈夫と返答したが、以北で
あればどうなのか、風評と言ってしまえばそれまでだが、明快な
答えのないまま返答したことを恥じた。
総選挙が始まる。どこの政党が治めるにしても実のある討論を
交わし、スピードを持ってことに当たるべし。昔から「遅いことは
牛でもする」と言うではないか。震災復興のための税金は、すみ
やかに復興のために使うべき。被災地は今、2回目の厳しい冬を
迎えている。