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国産材コラム

モノづくりは気持ちだ

暮らし下手

先日、現場に足を運ぶと、普段から口数の少ない大工さんが珍しく「ここ、ええやろ」とぼそっと呟いて仏間の下を指差しました。

 

養生をめくってみると、貝ノ口(畳と仏間の段差の隙間)が市松模様に組木で細工されていました。普段から口数の少ない大工さんが珍しく「ここ、ええやろ」とぼそっと呟いて仏間の下を指差しました。

 

養生をめくってみると、貝ノ口(畳と仏間の段差の隙間)が市松模様に組木で細工されていました。クゥ~ヤラレタ。思わず感嘆の声が出ます。その大工さん、図面の余白に粋な手仕事を残していました。

 

別の現場では、普段から話好きな大工さんが「ここの階段の格子は俺にまかせぇよ」と一言。いったいどうするつもりかと眺めていると、鼻歌を歌いながら階段から天井にひし形の格子を配置し、段板にくぎを使わず固定します。これまた粋な手仕事、ついついニンマリとしてしまいます。

 

そんな職人気質な大工さん、図面に細かく書き込みが加えられた細部のこだわりには文句も言わず(?)答えてくれます。現場に確証に向かうと「これでええんやろ?」と投げやりな言葉とは裏腹に図面通りに丁寧に仕上げてくれています。

 

楽をしようと思えば簡単な現場で、あえて時間を割いて難しい仕事を選ぶのは、ちょっとカッコイイもん作ってやろうかと物づくりの想いがあるからで、同じように、設計が頭を抱えて考えた納まりを粘り強く実現してくれるのは、それ(設計担当)に似た気持ちを図面から汲んでくれているからだろうなと思います。

 

時に「そんなんできない」と一言で話の終わる職人がいる中で本当にありがたい事です。ちょっと古風ですが、やっぱりモノづくりは気持ちやなとつくづく思うのです。

 

(「木族」2021年12月号より)

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