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「暮らし方上手」コラムの記事一覧

お片づけの良いチャンスかも

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建て替えや、改装をすることはお片づけをする良いチャンスになります。最近、建て替えをするために仮住まいへ引っ越しされた方が「思い切ってモノを処分したのに、引っ越し後も不要なモノが目に入り、処分しないといけないモノがまだあります」と溜息まじりにおっしゃっていました。改装される方は「これだけモノを置いていたかと驚きました」とも。

 

どこのご家庭でも、普段の生活で置いていることを意識することがないモノは必ずあると思います。普段の生活の様子を写真に試しに撮ってみて下さい。どれだけモノが見えなくなっているか。改装が終わってから、改装前の写真をお見せすると「こんなにモノが溢れていたんだ」と驚かれることも。

 

我が家も1階全体の改装だったので、冷蔵庫以外は何も置いていない状態にしなければならず、2階の納戸6畳へ残すモノをほぼ全て入れることになりました。もちろん納戸にも普段使わないモノが多く、片づけはそこから。要るモノを選んで納戸に上げ、残ったモノを集めると「こんなにあるのか」と驚き、市の処分場へ持って行くモノだけでワゴン車一杯です。5年ごとにフリーマーケットに参加したり、買い物でも慎重に選んだはずなのに…。子どもの成長と共に必要なモノも変わります。今は使ってなくても将来のためのモノもあり、中学生を過ぎる頃には一人の大人と同じで、またまたモノが増えます。

 

私も改装するタイミングでないと思い切ったお片づけはできませんでしたが、改装後は、春・秋に納戸の整理をするだけで、基本お片づけは簡単に終わります。

 

家具や荷物を除けたり、モノの整理をするのが億劫で、建て替えや改装することを先延ばしされている方も多いと思いますが、それを超えるとお片づけも楽になります。ぜひともそのハードルを越えて欲しいです。

 

(「木族」2019年6月号より)

 

今年も楽しみな季節の便り

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春の便り「いかなごの釘煮」が叔母より届きました。今年は不漁で高値なので少しですがと言葉を添えて。亡き母が毎年作って送ってくれていましたが、寂しくないようにと続けてくれている嬉しい春の便りです。

 

季節を知らせてくれるのに、お庭も大切だとつくづく感じます。管理が面倒で、時に一切緑のない外構を見かけますが、殺伐としていて寂しいものです。決して贅沢でなくても、それに立派に見せる庭でなくてもいいと思います。家庭菜園でもいいし、小さな木一本あるだけで大きな違いです。

 

恥ずかしながら我が家の庭は猫の額程、畳1帖もありません。我が家の庭のルールは「食べれるものだけ植える」の家庭菜園なので決して見せる庭ではありませんが、ご近所の方から、毎年何を植えて実がなるのか楽しみにしてもらえているようです。夫が管理してくれていて、私もご近所さん同様楽しみにしている一人です。

 

夏のプチトマトは定番で、木で塾した実をそのまま食べれる贅沢を満喫します。食べたぶどうの種から芽が出て簡単な棚も作り、3年程で小鳥の餌程度の実もなり喜んでいましたが、木も太くなり始めた頃、虫害にあい手立てできず枯れてしまいました。

 

次にその棚を活かしパッションフルーツを植えると2年目に綺麗な花が次々と咲き、ところ狭しと40個程の実の収穫ができました。実は酸っぱく量も多いのでジャムに。他にも、メロンや苺、じゃがいも、小イモ、お茶の木と、所狭しとチャレンジしています。実のなる木を直植えしたいのですが狭くて無理で、食べたアボガドの種を鉢植えにすると、ぐんぐんと高さ2m程に成長し、花や実は未だ生りませんが、我が家の立派な1本の木になりました。

 

夫のまめな手入れのお陰で猫額の庭は季節感満載で、今年も何が生まれるのか楽しみにしています。

 

(「木族」2019年4月号より)

それぞれにメリットとデメリットが

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「人生は選択の連続である」シェイクスピアの名言です。住まいの竣工時にお施主様から必ず耳にするのが「1軒の家を建てるのに、こんなにたくさん決めないといけない事があるんですね」というご感想です。

 

ハウスメーカーのように決まった仕様があれば楽でしょうが、こだわりの家を建てるにはお施主様と一緒に決めていく項目はとても多く、それだけ考え抜いた家だからこそ、皆さん愛着と満足感もひとしお。一つ一つ決めていく過程で、全体のバランスを見ながら提案するのが設計者の仕事でしょう。

 

材料の選択で最も悩む「外壁」について前回の屋根に続いてご紹介します。

 

大きく分けて塗装の有無があります。塗装をする材料の方が当初は安くなりますが、性能を保つために塗り替えないといけません。立地条件でも大きく左右されますが、理想では15年ごとに、実状としては20年経った頃に大きく費用が掛かります。ただ、塗替えると新築のように清々しいものです。補修性もとても良く、外壁に関しては水性塗料が主流なので安心かと思います。

 

塗装をしない素材でよく使うのが、火山灰を使った『そとん壁』という左官材料と『ガルバニウム鋼板』です。30年位はメンテナンスがいらないと言われる素材ですが、どちらも傷がついた時は補修しにくく、できたとしてもそこだけ目立ちます。そとん壁自体はカビが生えませんが、壁に引っかかるホコリ等にカビが生えることもあります。メンテナンスをしないということは傷や自然と共に寂びれていく事を受け入れることが必要になります。

 

まずは選択肢があることを知り、メリットとデメリットも理解して選んでください。

 

(「木族」2019年2月号より)

耐久性、メンテナンスも考えて

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冬至に向かい、夜が長くなってきて、街中のクリスマスツリーも輝き、一年も後少しとなってきました。

 

さて、まだ関西では、ブルーシートで仮補修された屋根や外壁が目立ちます。私の近所でも日本瓦屋根の被害が多く、井戸端会議では「日本瓦はあかんなぁ、最近建った建売住宅の薄い屋根材のほうがどうもなってへんから、ええんとちゃうか?」という声を聞きました。

 

日本瓦は日本の風土にあった屋根材で、耐久年数も長く、特に20~30年程前からは、瓦を一枚ずつ留める工法に改良されているので、風や地震の被害を受けにくくなっています。

 

被害にあった日本瓦の屋根は、ほぼそれ以前の工法で、土を敷いて瓦を土に馴染ませながら載せたものです。

 

最近、耐震性のことで日本瓦が避けられる傾向もありますが、瓦好きとしては、もっと良く知って欲しいところです。

 

それと話の中で出た「薄い屋根材」とは、スレート屋根と呼ばれ、セメントを平らに固めた製品です。とてもお求めやすい価格なので、建築費を抑える為によく使われています。しかしこの屋根材は10~15年くらいでメンテナンスが必要になるので、トータルで考えた経済性はどんなものでしょうか?

 

日本瓦の次に耐久年数が長いのは、ガルバリゥム鋼板葺きで約30年と言われます。緩い屋根勾配でも使えて、デザイン性にも長けています。

 

今回は台風の被害でしたが、屋根や外壁は、紫外線や雨風にさらされ、住まいの中でも過酷な条件下にあって傷みやすい部位です。目先の金額だけでなく、メンテナンス性なども理解した上で選択してほしいものです。

 

(「木族」2018年12月号より)

相手の気持ちを想像する力を…

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台風21号から約1ケ月経ちます。台風の中心から東側だったので、私が住む堺市でも被害が多く、爪痕も生々しく、ブルーシートの養生をした屋根や外壁が目立ちます。

 

我が家は瓦2~3枚ずれただけの最小の被害でしたが、多くの方が早く修理して欲しくても、いつしてもらえるかわからない不安な状態が続いています。

 

災害の度にですが、人手や材料が足らず、建築業界の流れが滞っています。

 

さて最近、スポーツ業界での体罰やパワハラの報道が絶えません。頂点を目指していくには並大抵の努力でなく、指導に熱が入ることもよくわかります。体罰・パワハラも、スポーツ業界だけでなく、上下の立場がある場合には意識していないと起こりえることです。暮らしの中では、親子関係でも。

 

「人は経験したことしかわからない」と言われます。選手時代に体罰を受け、嫌な思いをしてても、よい成果が出た経験があると体罰を正当化し、それを使った指導をすることが当たり前になります。体罰だけでなく、精神的に追い詰めたり、脅したりする指導も同じです。

 

合わせて、指導している相手が思い通りに行かない状態になると怒りが先に立ちます。怒りという感情が出ることは自然ですが、その後どうするかは選べますし、そもそも思い通りにしようという考え方も変えれます。これは子育てにも通じるところです。

 

多くの場合は経験以外の指導の選択肢を知らないまま実践し、感情が先立ち体罰等を繰り返しているのでしょうか。経験以外に、相手の気持ちを想像する力や、多くの選択肢を学ぶことがとても大切に思います。

 

(「木族」2018年10月号より)

 

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