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国産材コラム

働き方改革って

朴訥の論

取引きしている製材所や森林組合などから土曜日は休業にする旨の通達が入った。追いかけるようにサッシや新建材の商社などからも休日や営業時間についてのお知らせが相次いでいる。

 

2019年4月から施行される働き方改革法案に対しての動きであろう。ここ数年前から大工さんをはじめとする職人さんの労働時間も8時間が定着している。まず働きたくても夕方6時を過ぎれば近隣からの苦情が入り、働ける状況には至らない。昭和を生きた者にとっては嘘のような話だ。工期が迫れば夕方7時台であっても投光器を点け作業の手を休めなかったものだ。

 

斯く言う筆者も「いつ休むんですか」と問われることがあるが、思えば10年前まではスタッフ共々土日のイベントなどもあり、なかなか休めないというのが実情だった。代休を促しても、「代表が休まないので休みにくい」と言う。最近はできるだけ休日のイベントを避けているが、本人の体力が落ちたこともスタッフにとっては気分的に楽になったようで、何が功を奏すかわからない。

 

仕事は乗っているときは面白いほど捗るが、何かに行き詰まると遅々として進まない。

 

消費税増税と昨年の地震と台風のあおりで、施工件数が消化されていない上に屋根工事、板金、金属建具、解体工事など職人不足もあって工事が追い付かず立て込み状態が続いている。業種によっては半年前に提示した見積もり金額が、修正を要する程の値上がりを見せている。

 

こんな時に働き方改革もないもんだ、とぼやいても時代の流れには抗いようもない。働き方改革ばかりが先行し、実際働く人がどこまでの覚悟を持って臨んでいるかは今一つ釈然としない。

 

作業時間と仕事内容が以前と同じペースで進むのであれば、何ら改善には至らない。よほど時間への認識を持ち効率よく仕事をこなす仕組みを打ち出さない限り、実質をともなった働き方改革とはならない。

 

建築士事務所民家の現場監督として新人が加わった。現場監督という仕事もどちらかというと敬遠される仕事かもしれないが、昔から現場監督は段取り八分と言われるように、二手三手先を読んだ動きで解消されることも多い。民家も設立より39年目を迎えるが、また新しい風が吹くことを期待している。

 

(「木族」2019年4月号より)

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