冬至に向かい、夜が長くなってきて、街中のクリスマスツリーも輝き、一年も後少しとなってきました。
さて、まだ関西では、ブルーシートで仮補修された屋根や外壁が目立ちます。私の近所でも日本瓦屋根の被害が多く、井戸端会議では「日本瓦はあかんなぁ、最近建った建売住宅の薄い屋根材のほうがどうもなってへんから、ええんとちゃうか?」という声を聞きました。
日本瓦は日本の風土にあった屋根材で、耐久年数も長く、特に20~30年程前からは、瓦を一枚ずつ留める工法に改良されているので、風や地震の被害を受けにくくなっています。
被害にあった日本瓦の屋根は、ほぼそれ以前の工法で、土を敷いて瓦を土に馴染ませながら載せたものです。
最近、耐震性のことで日本瓦が避けられる傾向もありますが、瓦好きとしては、もっと良く知って欲しいところです。
それと話の中で出た「薄い屋根材」とは、スレート屋根と呼ばれ、セメントを平らに固めた製品です。とてもお求めやすい価格なので、建築費を抑える為によく使われています。しかしこの屋根材は10~15年くらいでメンテナンスが必要になるので、トータルで考えた経済性はどんなものでしょうか?
日本瓦の次に耐久年数が長いのは、ガルバリゥム鋼板葺きで約30年と言われます。緩い屋根勾配でも使えて、デザイン性にも長けています。
今回は台風の被害でしたが、屋根や外壁は、紫外線や雨風にさらされ、住まいの中でも過酷な条件下にあって傷みやすい部位です。目先の金額だけでなく、メンテナンス性なども理解した上で選択してほしいものです。
(「木族」2018年12月号より)