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国産材コラム

実践でこそ・・・情熱も達成感も

朴訥の論

毎年10月に行われている「森林の市」の今年の出展は、幼いころの憧れ「秘密基地」を創ることになった。共同で行うのは大阪工業技術専門学校の建築技術研究会(通称・山部)の学生さん達だ。

 

先日、10名の学生さんと研究会顧問の左海先生が出展の打ち合わせに来られた。大阪工業技術専門学校との接点は、2年前に卒業生のN君を現場監督として採用したことによる。

 

「秘密基地」はN君の提案でもある。先ず国産材住宅推進協会の活動について、次に「森林の市」出展の目的は生活者や子供達にスギやヒノキに触れることで、国産材に関心を持ってもらうことだと説明した。学生さん一人一人の自己紹介では、4名が木造建築の大工志望で、6名が木造建築の設計を目指しているという。その内の4名は女性だった。どの顔も将来目指す方向が定まっているようで輝いて見えた。

 

 

大阪工業技術専門学校は1895年に設立された工業系専門学校である。産学連携ご担当の左海先生は教科だけでなく、建築での原体験として地域コミュニティや建築士と連携し実践することに力を注いでおられるようだ。

 

古民家の移築や、立木の伐採から製材、基礎から手加工による木工事、土壁も割竹を作ることから始め、小舞を編み荒壁、仕上げと家づくりの総てを行う。どれ一つを取ってもお膳立てされたものは何一つない。

 

設計を目指すものも、大工を目指すものも物づくりの困難を昇華し、その後に得る達成感や喜びは何ものにも代えがたい経験として残る。技術だけの習得では決して得られない、実践に立ち向かう気構えや情熱が培われる。

 

全てに於いて作業の簡略化を計るため、労せずして物・事が手に入る現在、1棟の住宅に情熱を持って臨む職人や建築士がどれ程いるだろうか。

 

建築士の資格を取ったからと言って即、実践できるものでなく、経験を積む中で多くの失敗を重ね、関わる総ての人から教えを受け成長する。指導者により方向性が決まると言っても過言ではなく、熱意ある指導者に出会うほど幸せなことはない。建築士事務所民家で監督を務めるN君曰く、「左海先生の教えがなかったら僕は民家には就職していませんでした」が、物語っている。

 

この木造建築を目指す若者たちに、達成感を得る程の環境をどう遺し得るかが問われるところだろう。

 

さて今回の森林の市でどんな秘密基地ができるか、子ども以上に今からワクワクしている。

 

(「木族」2017年10月号より)

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