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国産材コラム

育てたいものづくり日本

朴訥の論

5月の連休に日田の山間を車で走り、真っ直ぐ伸びた美しいスギ林に「さすが!」と感激したばかりだ。無残にも無数に崩壊の爪痕を残す山肌にその面影はなく、改めて豪雨の威力に絶句した。

 

 

あれだけの美林に育て上げるには、どれ程の汗と苦労を重ねたことだろう。半世紀をかけて育て上げた山林が山もろともに崩壊するとは。流木は20万トンにも達し、河川を分断した流木は濁流と共に護岸を削り住宅を押し流した。まるで地獄絵図さながらに。

 

 

地球温暖化がもたらす環境破壊はスピードを加え、総ての生態系にも影響を及ぼす。山林で暮らすシカやイノシシは餌を求めて里山の田畑を荒らす。住まいの解体時の天井裏で、イタチやアライグマ・ハクビシンといった小動物の巣を見ることも多く、人が招いた均衡の狂いを肌で感じる。

 

国産材のPRを兼ね、事務所前に「端材BOX」を設置し、スギ、ヒノキの端材を欲しい方に貰っていただくことにした。焼却するには勿体ないという想いで始めたことではあるが、口コミで広がったかBOXは直ぐに空になり、近隣の方に喜んで貰えることが嬉しかった

 

 

3か月ほど経ったころ近くの小学校の先生が訪ねて来られた。

「ああ、これですね。国産のヒノキですか、凄いですね。」てっきり喜んでいただけるものと思っていたが・・・、困惑の様子に話を聞けば、男の子がここの棒で障害児を叩いたという。「こんな風に善意でしていることに、止めてくれとは言えませんし」と、悩んでおられた。

 

よかれと思いしたことが思惑からかけ離れた結果になり残念だった。その日の午後、集団下校する小学生が「ここの木、触ったらあかんねんな」と通り過ぎて行った。成る程、そうゆう指導になるのかとがっかりした。

 

障害児をいじめるとはもっての外であり、木を武器にすればどれだけ相手を傷つけるかはしっかり指導していただきたいが、何か見当はずれのようにも感じる。危ないから触ってはいけません、では子供の感性に蓋をすることにならないだろうか。

 

木を使って楽しむことは山ほどある。子供達に工夫をさせれば創作意欲を育てることにもなる。

日本で田舎暮らしをする外国人が語る。

日本人はものづくりをやめてしまった。観光地のお土産は「メイドインチャイナ」ばかり。

 

手先が器用で物づくりに長けた国民性は、幼い頃の無から有を生み出す物づくり体験にある。

 

(「木族」2017年8月号より)

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