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国産材コラム

高気密高断熱に想う

朴訥の論

国産材の利用推進活動を始めて久しいが、25年程前に、生意気なことを言ったことがある。

 

「国産材や在来木造住宅には数値での表現が乏しく、その良さを説明するにも説得に欠ける」

 

確かに当時は外材や輸入住宅と比較して、その研究は遅れていると言われていたが、今思えば恥ずかしい。木材の強度は言うに及ばず、今では住宅性能は全て数値化され、それに振り回される結果になっているからおかしなものだ。

 

先日、あるOBさんから暖かい家を望んでいたのに、引き戸から風が入ってくるようで暖房が効きにくい、というご指摘が現場担当者にあった。独自で気密測定検査を受けられた結果、C値≒2.091平方cm/㎡と出たようだ。

 

C値とは家全体に占める隙間面積を表す数値で1㎡当たり2.09平方cmの隙間があることになる。数字が小さいほど隙間面積は少なく、気密性に優れている。

 

北海道などの寒冷地ではC値≒1平方cm/㎡を基準としているが、比較的温暖な地域にあってはC値≒5平方cm/㎡あれば、気密性は一定の基準を満たす。それと比べても2.09平方cm/㎡はそれなりの評価を得たことになる。OBさんもそのことは良く理解されており、今後の参考までにと検査結果を送って下さったようだ。

 

もともと高気密高断熱は北海道から始まり、厚い断熱材で外周部をビシッと覆い、接合部は徹底的にテーピングで隙間を無くし気密性を高める。また、熱損失の多い窓面積を少なくし、気密断熱の高い窓にするなど対策は万全を期す。

 

設計・施工会社それぞれに考え方の違いはあるが、蒸し暑い関西の夏に対峙するには、寒冷地並みに気密断熱を高め、冷房を駆使しても暑さを凌ぐには無理があり、日射を考慮した遮熱も並行して行う必要もある。

 

 

 

温度や音、臭い、明暗など、個人の五感レベルを推し量るのは難しい。同じ部屋に居ても適温と感じる人もいれば、寒いと感じる人もいる。音も臭いも又、然り。気になればなる程過敏に反応する。

 

総てに於いて完璧なものは何一つなく、それを思えば地域に適応した住まいがベターではないだろうか。自戒の念を持っていうが、恵まれた時代を生きて我慢する能力も低下ぎみだ。寛容であれとは言わないが、何がおこるかわからない世の中、子ども達の為にも自分でできる一工夫を考え、抵抗力を育むことも大切だ。

 

(「木族」2017年4月号より)

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