住宅瑕疵担保責任保険に住宅完成保証保険、それに加えて、中古住宅の売買を活発にするため、国は来年度にも新しい保険制度の導入を検討しているとか。加入は任意であるらしいが、中古住宅の品質の不安を和らげるため、購入後、5年以内に雨漏りなどの欠陥が見つかれば、かかった補修費の上限1千万円までを支払うというものらしい。
10月1日から施行される瑕疵担保責任保険は義務付けられていることもあって、大小を問わずビルダーは加入を余儀なくされるが、任意の完成保証となると加入比率はまだまだといったところだ。
耐震偽装を受けて設定された保険制度であるが、保険の条件などを考えれば戸建ての木造住宅に必要なのかと、今でも思っている。
完成引渡し後、10年以内に建物の基本構造部分に欠陥が発生し、その補修費用から免責の10万円を差し引きした額の80%を支給する。瑕疵発生時に施工者が倒産している場合は100%(2千万円を限度として)お施主様に支払うというものだ。
しかし、その後に「お支払いされない場合」が列記されている。
設計施工者の故意または重大な過失による場合。台風、地震、洪水火災、落雷、爆発は除外。土地の沈下、隆起、陥没、土砂崩れまたは土地造成工事の瑕疵による場合などと明記している。
住宅の基礎や構造に支障を及ぼす瑕疵となれば、土地に関連する場合が多い。施工会社の技術力が低くて構造に歪みを起こすことは、今の検査体制からすれば考えられないことだ。
もしも、姉歯と同じ事件が発生すれば、設計者の故意による重大な過失となり、保険は下りない。となればこの制度はなにから発展しその手立てとして設立されたものか、本末転倒も甚だしい。
「漁夫の利」と感じるのは筆者だけだろうか。
中古住宅の保険とて同じである。今その為に住宅性能や長期優良住宅などを推進しているのではないのか、中古住宅を売買する場合、査定するに値すれば、させればいい、瑕疵があれば当然価値のないものとして価格設定される筈。
技術やモラルを高めることをしないで、安直に保険に委ねるのはいかがなものか、保険が必要となる時は決まって保証期間外である。