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国産材コラム

山の仕事って…

きの家、木の家、スギの家

今回から、今まで山で教えてもらったことを、再確認の意味も含めて記していこう。歳も歳なので忘れていることもある。話が前後することも許してほしい。

杉にしろ桧にしろ、植えなければ資源として利用できないのは当然のこと。ただ、これが半端じゃねえ。

 日本の山が外国に比べて急峻な場所が多いのは知っている。それでも、実際に苗を植える場所を目にすると、驚いてしまう。実際には25度から30度程度の傾斜なのだろうが、見た目は45度。そんなところで踏ん張ってきっちり植樹するなんて、足が滑らないようにするだけで大変だろうと思ってしまう。それに、植える前に、その斜面で「地拵え」という仕事もある。

 ところで苗には種から育てたものと、挿し木したものとがある。一説では挿し木苗は根が浅く、山崩れしやすいとも言われる。でもどちらかと言えば挿し木が多いそうだ。

 杉の花は風媒花(杉花粉で知られる)だから、どんな雄花の花粉を受けるか分からない。だから種から育てる苗はバラつきが多く、それだけリスクが高いためとも聞いた。(つまり杉の種類は無限とも)

 何年もかかって育ってみると質が悪いとなれば、がっかりなのは理解できる。良質な木に挿し木すれば同じ質の苗がとれる。

 さて、植えれば次はそれを支える杭を打ち、紐を(あるいは縄を)かける作業も生じる。植えれば植えるほどに斜面での作業はそれだけ増えてしまう。

 それでも日本の林業ではたいてい「密植」する。(つづく)

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