セミナー・見学会

TOP > 国産材コラム > 「工夫」で得られる「密度」を

国産材コラム

「工夫」で得られる「密度」を

住い考

      数々の制約の中で

 

 あけまして、おめでとうございます。

  年末年始は何も考えず、おいしいものを食べたり飲んだり、

読書したり、映画みたりして過ごしました。常日頃、色々と

考えすぎるところがあるので、何も考えずにボーッと過ごす

のもいいもんです。

 年始ということで改めて「いい家」について、心の赴くままに

考えてみようと思います。

 

S-IMG_0022

 

 私は、いっちょまえ(一人前)に美容院で髪を切っているの

ですが、いつも、あれこれ注文をつけることなくすべて美容院

さんに委ねるようにしています。

 というのも、美容師さんはその道のプロで私があれこれいう

よりも、美容師さんに思う存分好きなように楽しんで技術を

ふるってもらうのがベストだと思うからです。もちろん、こんな

私にでも似合うものを真剣に考えてくれるかどうかが前提ですが…。

 素人の私が注文をつけて、美容師さんが「違う」と思いながら

カットするという状態がいやなんです。また、視野の狭い自分の

固定観念を超えた、新たな世界を生んでくれるのではないかと

期待しているところもあります。

 

  家も同じで、お客さんが望むものだけを取り入れて設計すると、

物足りない結果になることも多いのではないかと思うんです。

望みに答えるだけでは誰がやってもよく、極端にいえば、ロボット

の方が精密で忠実なのかもしれません。

 「仕事」という枠を超えた「楽しむ」という感情が生まれると、

自ずといいものができるのではないでしょうか。そう考えると、

私としては(決して傲慢になるのではなく)「自分がいいと

思うことを提案する」しかないのかも知れません。

 

  そこで問われるのは、「私が好む家」「私が住みたいと思う

家」ですが…

 私は昔から数字が好きで、根っからの理系なこともあり、

合理的な性格だと思います。「理由付けできない行き当たり

ばったりで無駄なこと」はとにかく嫌いです。

S-IMG_0133

 

 昨年「小さな家で豊かに暮らす」というテーマで家づくりに

取り組んだのですが「小さな家」という表現よりも「無駄な

(使う頻度が低い)スペースを削ぎ落とし、濃度の高い家」

の方がわかりやすいかもしれません。

 限られた敷地で、限られた予算という制約の中で、最大限

「密」な家づくり。そのうえ、高価な設備や素材に頼らない、

設計による工夫でしか得られない光や風といった「自然」を

うまく取り入れた「お得感」溢れた家が、私の思う「いい家」です。

 立地や隣地の状況などがよいといった「偶然」なものだけ

ではなく、その土地の四季の風向き、日照を把握し、それを

基にした計画的な設計によって「必然」なものを見出したいものです。

 

 今年も色んな出会いを心待ちにさせていただいています。

そしてお客様とともに、楽しく家づくりができればと思っています。

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

(C) 2017 NPO法人国産材住宅推進協会 All Rights Reserved.