長く愛される住まいへ
セミの声が一層暑さを増しているようです。この夏休みはどのような計画を立てられたでしょうか?
私も人生の折り返し地点を迎えて、そろそろ親のことが気になる世代。同世代が集まると、子育て卒業と共に親の介護が始まったことが話題にあがります。
私の母も80歳過ぎで、実家にて元気にひとり暮らしをしていますが、いつ手助けがいるようになるかわかりません。母はできるだけ子供の世話にかかりたくないという気持ちでがんばってくれていますが、誰しも歳を重ねて周りの協力が必要になる時期がきます。
どのように対応していくかは各家庭のご事情もあると思います。
東京に、ご両親の介護をしながら仕事もされているシニア専門のライフオーガナイザーがいます。その方のセミナーを受けた時に一番印象に残った言葉が「笑顔」です。
親を思うばかり全てを自分で・・・となると負担が大きいだけでなく、悲惨な事件になりかねません。介護する側、される側共に「笑顔」になる仕組みづくりが大切と。
当事者でないとわからないことも多いでしょうが、つらい気持ちになった時にどのようにすれば「笑顔」になれるか考え直して、一人で抱え込まないでプロや周りの力を借りて仕組みを変えることが必要です。なんだか、子育てと一緒ですね。
住まいも計画している時だけでなく、未来の時間、そしていろんな世代が過ごす空間でもあります。その中で、子供やご年配の方が過ごしやすいようにすることが「笑顔」になる仕組みづくりで、長く愛される住まいにつながると思います。
(「木族」2015年8月号より)