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国産材コラム

「婚礼家具考」

暮らし方上手

持たせてくれた思いを活かせるように願って

 

昨年から新築計画が2つ続き、間もなく着工します。

 

お一人おひとり顔が違うように、1軒として同じ住まいづくりはありませんが、今回その2軒で共通の依頼がありました。「今持っている婚礼家具が配置できるようにお願いします。」

 

ご結婚されていて、特に50歳前後の方は、必ずと言っていいほど婚礼家具をお持ちでないでしょうか?私もそのひとりです。阪神淡路大震災後は、新築時には地震でタンス等の下敷きにならないよう造り付けのクローゼットを設えるようになりました。とはいえ、婚礼家具は容易く処分できません。巣立つ娘のことを考えて用意してくれた親の思いを考えると胸がつまります。

 

限られたスペースで婚礼家具を配置すること、案外しっくりこない寸法で全て並べることは難しいものです。

 

今回は配置する部屋を家具に合わせて、少し変則させた寸法で計画しました。

 

ただ、世代交代して婚礼家具を置かなくなった時にも、造り付けのクローゼットに変更可能なスペースにしています。

 

新居へ入る時に家の塊になるからと、一番に私と夫で抱えて入れた鏡台も今では納戸に眠っていますが、今回のご計画では寝室に配置しています。

 

毎日必ず目にはいる場所に置くことで活かしていただけることを願いつつ。

 

(「木族」2015年2月号より)

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