迎えていただく時 「普段通り」が第一歩
設計の仕事で初めてご自宅に訪問させていただくと「ちゃんと片付けていませんが…」という言葉が耳に残ります。良く聞く言葉ですが、ライフオーガナイザーとして、ちょっと意識しすぎでしょうか?
私に「片付けているかをチェックされるのでは…」と思われてるならば申し訳ないです。そういう目で見ていることはありません。だいたい、そう言う方ほど、ちゃんと片付けておられます。
TV番組で、散らかった部屋を見てその人の人格を疑うように厳しく批判する場面を面白おかしく映し出されると心が傷みます。ライフオーガナイザーは決して叱ったりしません。その人に合った片付けの仕組みができていないだけで、自分に合った片付け法を知っていただき、実行すれば解決することがわかっているからです。できれば人に見せたくないところを「どうにかしたい」という思いでカミングアウトしてくれた勇気に手を差し伸べたいです。
住まいの設計者としても、普段通りの生活を見せていただいてこそ、本当の住まいづくりのサポートができます。よそいきではなく、いつも通りの家族のように出迎えていただけることも嬉しいです。
ちゃんとしていなくて大丈夫。リラックスした姿こそ、生きた住まいづくりの第一歩です。
(「木族」2014年10月号より)