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国産材コラム

自然素材とシックハウス 後 《山林》

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(山林 2002.11掲載分) 自然素材とシックハウス・後編

 健康住宅の観点から自然素材への関心も高いが、安易に薦めると同じ

ような結果を招く。珪藻土は吸湿性・断熱性・防虫効果・通気性に優れ、

健康建材として人気も高いが、施工性が良いとは言いがたい。

説明しないで施工しようものなら僅かな鏝ムラを指摘されクレームに発展

する。むしろ鏝ムラを楽しむような塗り方を薦めるべきである。

 珪藻土を使い始めた頃、お施主さんの指摘を受け3回塗り直しをしたこと

がある、シックイ仕上げのような施工密度を主張し過ぎると、施工費は

おのずとアップする。

素材としての価値と、平滑な施工法のどちらを選択するかはお施主さん

に任せている。

 過去に娘さんの意向で自然素材を使いご両親の自宅を改築した。

階段の位置を変えるほどの大改造であったが、玄関に自然クロス(布)を

貼ったところ、両親から継ぎ目が目立つとの指摘があった。自然クロスの

重ね貼りを説明したが納得されず、ビニールクロスに貼り替えたことがある。

身体に悪いもの⑤ 

新建材主導の家づくりになった要因はユーザー側にもある、とセミナー等で

言っているが、親子であってもこれほど価値観が違うことを知った。

 兎に角、徹底した理解の上にたって選択してもらうことに務めている。

 「18年間も国産材にこだわり建築をし、木材に対してのクレームは」と問わ

れることがあるが、柱、梁、桁などの色・節、割れ、反り、たわみ、収縮等が

クレームの対象になったことは一度も無い。

 しかし、今でこそ乾燥されているが、ムク材のフローリングや壁板などの

現在に至るまでの失敗は多い。17年前、キッチリ張り詰めた檜ピーリングが

長雨に膨張し数箇所起き上がり、同時に施工していた2軒ともやり直したこ

とがある。縁甲板の張替えも2度や3度ではない。それなりに面倒も多いが、

合板と塩ビに施工を委ねようと思ったことは無い。

 ただ、最近、新建材に対して臭覚が敏感に反応するように思われるのは

気のせいだろか。

この章はおわり 

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