こんにちは。新年を迎えたと思えばもう4月。桜が綺麗な季節がやってきました。
今年こそは桜並木をぶらり散歩したいなと思っています。
さて、2棟の家の見学会が終わり、たくさんの方に見ていただき、後日、無事に
引き渡すこともできました。2棟はほぼ同時期の計画・着工は正直きつかったです。でも結果よければすべてよしで、いい経験になりました。
私は今、「ちいさな家」をお勧めしています。その主旨は「質の高い家」に住んで
いただきたいという思いからです。量=大きさ=より質という考えです。
漠然とした、単に大きい家よりも、無駄のない濃縮された空間を追求し、面積を
小さくできた分で、いい素材を使う。これは住んでからのランニングコストを低減
させることにもつながります。
プランニングに当ってはまた、家族がそれぞれの季節を感じながら楽しんで
暮らせる仕掛けをしたいな、と思っています。
豊能町の家では、川に隣接した縁に椅子を設け、川のホタルや、この季節
もうすぐに咲く桜を気軽に眺めるようにしました。また縁に出る開口部を
全開口できるようにすることで、季節の風を思いっきり感じることもできます。
構造材の梁を子供さんでも手の届くところに架けて、木のぬくもりと
強固さを肌で感じてもらえるようにも考えたり、遊び心を盛り込んだ
取り組みです。
大阪狭山市の住まいでは、植えられた2本のシマトネリコの間をくぐり
ながらアプローチ。ご主人が夜遅く仕事から疲れて帰ってこられても、
庭を見てホッとしていただけたら私の仕掛けは成功です。
なお、2棟ともに薪ストーブを導入しました。どちらのお住まいの火入れも
拝見することができました。炎を眺めていると、施主さんが炎の前で
寝転んで本を読んでいる姿や仕事で疲れて帰ってきて、薪ストーブの
前で寝転んでいつの間にか寝てしまっている、そんな絵が浮かんできます。
ただただ「生活するため」だけでは、もったいない。精神的に癒される
空間をめざすことによって、より満足いただける住まいになるのでは
ないかと思います。夢と思えるようなライフスタイルを現実のものに…
そんな住まいを建てませんか?
2棟のお施主様とは本当に楽しくプランニングさせていただきました。
とてもありがたいことです。またもちろん、現場担当者やさまざまな
職人さんたちのご協力があってできた住まいです。その人たちに感謝
するとともに、それに応えるべくますます努力しなければと思いました。
ひとつひとつの家づくりが私の建築士としての成長だけでなく、一個人の
成長にもつながっている様な気がします。ありがとうございました。
(「木族」2014年4月号より)