今回は三重県産の「あかね材」の紹介です。
「あかね材」とはスギノアカネトラカミキリというながーい名前の幼虫が樹木の一部を食べた痕跡が表面に現れた木材のことです。
三重県では虫食い被害が多発し、森林に関わる人々を困らせています。今まで、あかね材は見た目が悪いことから、欠点材として扱われ、家づくりの木としてなかなか使われませんでした。
そこで、三重県木材協同組合連合会(県木連、津市)が「あかね材認証機構」を設立し、虫食い跡や変色があっても強度や耐久性には問題のない木材「あかね材」の利用を促しています。
実験や検査をすることで、業界あげて品質を保証し、従来は見た目の悪い欠陥品として扱われてきた木材を、消費者に安心して利用してもらうということで 「エコブランド・あかね材」として販売をしているようです。
食品でもあるように、形や見た目が悪いものを比較的安く提供しているんですね。
木に虫食いと聞けば、家の床下によくでるシロアリをイメージし、虫食いが進み、腐朽し、強度が弱くなっていくように思われがちですが、これらとは全く関係なく、木を製材し、空気中に触れると、虫は死んでしまい、そこからまた虫が再びでることはありません。
しかも、虫食い部分における強度試験(曲げ、ヤング率)でも問題ないことを証明しているので、安心です。
私は木材販売の営業ではなく、ただ単なる建築士なのでご安心を。
杉、桧や杉の優れた性質は同じで、見た目が悪いだけのことで、金額が少し安いので、隠れる部分に使うとお得だと思うんです。
木は自然のものであるから色、形は様々。
それをうまく活かせるところで使う。
これは人でも同じことで、いいところ(性質)をいい環境で活かすことでそのものは生きてくる。
物事の偏見や考えなしに拒否するのではなく、そのものや人をしっかり自分の目で見て判断することで、いろんな得が得られるのではないかと思うのですが、いかがですか?
下の写真は桧のフローリング。上が表、下が裏。
裏の部分に虫食いの跡はあります。表面には見えてこないし、虫食い部分を触っても硬いためフローリングとして充分使えます。