大阪でもゆっくり大きく揺れた元旦。日を追うごとに震災の爪痕の大きさを知り、誰もが被災地に祈りを捧げ、明日は我が身かもと不安になられたと思います。
地震予知は難しく、日本ではいつどこにいても地震へのリスクは高く、関西も概ね100~150年周期で起こる南海トラフ地震(昭和東南海地震<1944年>及び昭和南海地震<1946年>)から80年近く過ぎているので、切迫性が高まっています。推定被害は最大震度7、津波10メートルだそうです。私の家は地震でも大丈夫かな?と思われた方も多かったことでしょう。
新築の時なら、その時に決められた耐震性能を確保することができますが、戸建て中古住宅となると築年数や家の状態によって補修方法等も変わります。
建築基準法(1950年)ができる前に建てられた古民家の場合は、揺れて地震の力を逃がす伝統工法の構造が多く、安易に現行法=揺らさず固める方法=を採用すると全体のバランスが崩れることもあり、構造補強は慎重に検討しないといけません。
新耐震基準(1981年)以前の中古住宅は基礎の鉄筋が入っていない場合が多く、基礎まで補強をする場合は工事範囲も広くなり、費用負担も大きく、どこまで補強するか悩ましいところです。
無計画な増改築を繰り返している中古住宅では、複雑な構造になっていて、良い状態でない場合が多いです。築年数には関係なく、蟻害や雨漏りに気づかずメンテナンスを怠って家を傷めている場合も、構造的に弱くなっているので注意していただきたいです。
予想される大きな地震が来る前に、家の状態点検や耐震の診断判定等で我が家が安全なのか、どれくらいの補強が必要か調べて対策するのに遅くないと思います。備えあれば憂いなしです。戸建ての中古住宅ご購入の際も、当然チェックが必要でしょう。
(建築士・ライフオーガナイザー=細江由理子)
~2024年木族2月号より~