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国産材コラム

縁のもの。「気長に」も必要?

暮らし方上手

土地と中古住宅の選び方のセミナーはいつも参加する方が多く、熱心に受講されます。

 

私も23年前、夫婦2人で9年間住んでいたハイツで下階の人と些細な音の事でトラブルになり、土地と中古住宅を購入・転居することを決めました。まだネット環境がなく、まずはチラシを見て気になった物件があれば不動産屋さんに電話をすることから始め、2~3社の不動産業者に要望を伝えて週末毎に現場を視察しました。紙面だけではどうしてもわからないことがあるので、面倒でも現場視察はとても大切です。

 

若い新人営業マンは、私のたくさんある要望のひとつ「景色が良いところ」を重視し、池のほとりや、崖の上の物件ばかり。どう見ても地盤が悪そうな場所を案内しがちで、ほとほと疲れました。もう見つからないかな、とあきらめかけていたところ、ベテラン中堅営業マンは、他の「道路と敷地に段差が無い」「道路幅員は広いが幹線でないところ」「ベランダは南向き」、そして夫唯一の要望「ビルトイン車庫でないこと」を兼ね備えた、また私達の予算に合った物件を案内してくれました。

 

その現場に行くと、小さな平たい丘の上で水はけがよさそう。そして道路を西に進んだところで下り坂になっていて夕日が綺麗に見える様が目に浮かび、そこに住むことが想像できたのが大きなポイントでした。

 

今もそこに住んでいて、引っ越ししてからすぐに子宝にも恵まれ、とてもご縁がある土地だったと思います。

 

土地、中古住宅を探すのもエネルギーが要りますが、要望の優先順位をきちんと決めて伝えてないと振り回される事になります。ご縁のものなのであせらずに、そこに住む事が想像出来る土地や中古住宅に巡り合うまで「気長に待つ」のも必要かと思います。あきらめないで頑張ってください。

 

(建築士・ライフオーガナイザー=細江由理子)

~2023年木族6月号より~

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