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国産材コラム

分かっていただけるまで

暮らし方上手

新築マンション(建設中)を購入された若いご夫妻から、収納や片付けの方法を教えて欲しいとご依頼を頂きました。今住まわれている賃貸マンションでのお打合せ。「片付いてなくてすみません…」と申し訳なさそうにされていましたが、見せて頂くと、お二人の生活には少し手狭な広さで、二人の趣味のモノがリビングにあふれているだけです。新居は広くなるので、問題なく片付けができそうで、片付けの基本とポイントの説明だけをして終わりました。本来なら次は新居の確認ですが、それをするまでもありません。

 

見せてもらった新居の図面は、豪華なパンフレットの中にある平面図1枚。以前、比較的新しいマンション改装のご依頼の時にも見たことのある、大まかな寸法とコンセントの位置等が記載され、間取りと畳敷がわかる程度の図面ですが、現場調査時は参考になり、あると助かります。

 

収納の広さを気にされていたので、図面に描かれている収納部分の説明をすると「え?そんなふうになっているのですか?」と言われ、パンフレットの写真を見ながら細かく説明したら理解されました。マンションのショールームで仮の室内を体験したようですが、この図面やイメージ写真が頭の中では繋がってなかったようです。設計からでなく営業さんからの説明しかないとなれば尚更でしょう。

 

マンションの建設用図面の枚数は、戸建て住宅より遥かに多く、そこまでお施主様が目を通す必要性はありませんが、人気の住宅地で高額なマンションなのに、その購入の判断をするのに豪華なパンフレットに平面図1枚だけしかないのはもの足りなく感じました。

 

それと共に、図面に携わる仕事をしている人以外、図面がわからないのは当たり前なので、図面の枚数以前に、担当者と一緒に、分かっていただけるまで確認をすることがお互いに大切だ。私も気が引き締まりました。

 

(「木族」2022年2月号より)

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