蝉の声が暑さを増すこのごろ。外気温が高く、熱中症にならないように冷房をかけて過ごしていますが、私には少し罪悪感?があります。20年程前は使わずに過ごせたのにという思いと、室外機から出ている生暖かい空気が更に外気温を上げているイメージからです。
しかし、年間の光熱使用量を見ると夏の冷房より、冬の暖房のほうが期間も長く多いので杞憂かもしれません。
さて、改装見学会でご存知かもしれませんが、我が家は、1階11坪、2階10坪、延べ床21坪の木造で、土地も21坪ととても小さな住まいです。中古で購入した時は夫婦2人だったので十分な広さに感じていましたが、子どもが2人生まれ、中学生頃に部屋が欲しいと言われればちょっと狭くて困るだろうなぁ・・・と想像していました。
現在、高校生と中学生になっていますが、この広さを見て言わないのか、今のところ個室を欲しがることはありません。そのかわり、リビングに家族でいても、食事の時以外はイヤフォンをつけてスマートフォンで音楽を聴いたり、タブレットでYouTubeを見たり、テーブルで宿題したりと個々の世界に浸っています。
個室とは違い、話したい時に声をかけやすく自然と会話も弾みます。もし、ひとりになりたければ、狭いながらも陣地のような自分の机も2階にあります。余談ですが、夫は猫の額程の家庭菜園を楽しんでいます。
最近「総額2千万円代で、国産材を使って建てられるの?」とよく聞かれます。延べ床面積を絞り、シンプルな住まいなら建てることができます。我が家は新築ではありませんが、小さい21坪の住まいでも、モノや住まい方や家族の有り方を見つめれば、豊かな暮らしは可能だと思います。
(「木族」2017年8月号より)