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国産材コラム

大前提は「暮らし方」

住い考

いかに便利に、また楽しく

現在家づくりを進めているお客さんとのお話の中で「料理をしながらリビング・ダイニングを見渡せるようにキッチンを配置してほしい」とご要望があり、対面で見通しの良いキッチンの配置を計画しましたところ大変喜んで頂けたのです。

 

その何日か後に、別のお客さん宅の設計プランを考えるにあたって、同じ様に、家族の様子が見渡せる対面のキッチンとして提案したところ、奥様から「料理に集中したいのでキッチンは閉鎖的にしてほしい」とのご要望。しまった、と思いました。

 

ついついキッチンは対面を望まれると思い込んでいたのです。

 

毎日の家事仕事「料理を作る」環境は様々で、キッチンの形式は決まったものではないのです。しっかりとご家族と話し合い「その家族のための暮らし」をどうして形にできるかを考えていかなければいけないのに。

 

また、その他の洗濯、掃除、収納、趣味など、「暮らしをいかに便利にその上楽しいものにできるか」を考える基本的なことを改めて教えられました。

 

今、私の設計趣旨の一つとして、家の中に居場所をより多く作ることをテーマとしています。例えば気軽に腰を掛けられて長居できるスペースをきめ細かく配慮することです。以前にも書かせてもらいましたが、椅子に座って食事をするダイニングに隣接して椅子の高さと合わせた「小上り畳」を設けるのもその一つ。気軽に座れる仕掛けを設けることで、より多くの居場所ができると思っています。

 

今年もたくさんのご家族と出会い「豊かな暮らし」を目指して日々精進していきたいと思います。よろしくお願いします。

 

(「木族」2016年2月号より)

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