聞き書き 森・林業
◆ひとりよがり◆
▽アジガサワスギ▽オウシュウスギ▽マキノサキスギ▽アキタスギ▽トウドウスギ▽ヤマノウチスギ▽チョウカイムラスギ▽アズマスギ▽ホンナスギ▽クマスギ▽アミダスギ▽ムラスギ▽タテヤマスギ▽ノトスギ▽ハクサンスギ▽イケダスギ▽ハンバラスギ▽ヘイセンジスギ▽イボラスギ▽イトシロスギ▽ムマイスギ▽カマクラスギ▽ホウライジスギ
以上は、日本海側のスギの天然品種と言われています。
スギにも種類がある。考えれば当然なのでしょうが、最初に耳にしたときは「衝撃」に近いものがありました。
今から20年以上前、機関誌「木族」の企画として「山からの手紙」の連載が始まりました。狙いは1面・題字の上に冠している「山と町・自然と人をつなぐ」です。今もそうですが、森を育てて林業を生業(なりわい)としている現場について理解されている町の人はやはり希少です。その現実を少しでも伝えることができれば・・・がテーマでした。
ただ、当時のバックナンバーを読み返すと、筆力もそうですが、山や森そのものへの思いの浅さを改めて認めざるを得ません。とにかく文章が「面白くない」のです。知識も不足、またお会いした人々の本音に迫ろうという気持ちさえ薄かったと反省しています。
この反省を踏まえて、不定期ながら、これまで教えてもらった山・森・林業のお話を改めて書かせていただきます。
「林業について語るとき、独りよがりになりがちなんです」冒頭のスギの品種の羅列はこの言葉に関連します。
(「木族」2015年8月号より)