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国産材コラム

最近気になる木材へのクレーム(木族より)

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新しい年のセミナーのテーマを「失敗に学ぶ」と決定した。

 住宅建築に携わり35年、様々な失敗を重ね今日がある。

その失敗を活かし自らの戒めも含め、今伝えておきたいことが数多くある。

失敗は双方の勘違いや連絡ミス、取り違えなど、いたって単純なコミュニケ

ーション不足に起因するところが多い。

ところが最近木材に対するクレームが増えている。

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過去において多くの林業家から、木材に対するクレームについて訊ねられた

ことがある。そんな時胸を張って「クレームはありません」と答えられものだ。

しかし、ここにきて不安を覚えるのは、節や割れ反りなどに反応を示す人が

増えたように感じるからだ。

ご存知のように節は枝の痕であり、節にもヒビが入り靴下が引っかかる等の

クレームが発生する。その対応策にメーカーは樹脂などを埋める。

埋めれば埋めたでクレームになる。「サンプルはこんなに節がなかった」も

よく耳にする。プリントでない以上一枚の板に節の数がいくつあるかは誰に

も分らない。節が気になるのであれば高価な無節を使うべき。

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スギは多孔質で調湿性に優れている、その反面柔らかくキズがつきやすい。

僅かなキズが気になるのであれば、スギは使わない方がいい。

2~3ヶ月後の訪問でキズの無い家など一軒も無いからだ。

少しでも国産材への理解をと、木造住宅講座を開講しているが、受講せずに

建築に取り掛かった人にやはり国産材に対する理解度が低く、クレームに

発展するケースが目立つ。もっと困るのは、建築士に国産材への理解が

不足していること。

住宅の骨組みは柱、梁で構成され1本1本全て呼吸をしている。育った環境

が違えばそれぞれに違った動きをする。

その関係で木製建具は必ず調整が必要になる。スギや桧の床に新建材の

建具は似合わない。その解消策として手づくり建具を製作している。

建具の面材として貼った杉の単板が逆目だと指摘されたことがあった。

単板とはカンナ屑ほどの薄いスギが合板の上に貼られた製品、

逆さを指摘する意味も無い。

今や木材の加工はプレカットに頼らざるを得ない。その中にあって社寺

仏閣か迎賓館でもない限り1本1本裏だの表だの逆さだのと、こだわった

住まいなど造れるはずも無い。

それが許されないなら墨付けが出来る大工さんに手刻みで加工して

もらうことだ。

今後、国産材住宅を普及していくためには、国産材に理解を示す建築士と

お施主さんを育てることが不可欠。

せっかく広がりを見せる国産材の根を絶やさないためには、何が何でも

乗り越えなくてはならない課題である。

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