タタミよタタミ、タタミさん
タタミ屋さん。
生活様式も座式から腰掛式と変化し、在来木造といえども和室は減少しています。それに比例してタタミ業者も全国的に減少しています。
2003年に約1万5千あった畳店は08年末で約8千件と半減しました。
昔は藁床(稲わら)が主流でしたが、藁が農薬で汚染され弱くなっていることや、ダニやカビなどがつきやすく、現在のようなボード畳(中芯が発砲スチロール)に取って代わりました。
■タタミの工程
部屋の寸法取りをし—-畳床とタタミ表を仕入れ—-
—-畳縁を付け縫製—-敷き込み調整
■タタミ床
現在ほぼ99%は中芯のポリスチレンフォーム(発砲系)を、インシュレーションボードで挟み込んだボードタタミが主流です。他には、中芯がコルク、竹炭、桧チップ、などがあります。
すこし前まではポリスチレンフォームを稲藁で挟み込んだサンドイッチ畳が主流でしたが、ダニなどの発生を懸念し減少しています。
いずれも一般的には防虫シートを畳の上下に張っています。(協会では張りません)
畳表(イ草)も一般には多量の農薬が使われていますが、協会の推薦する省農薬タタミ表は植え付けるときに農薬を1~2度散布するにとどまっています。
熊本(水の子)から取り寄せたものを使用しています。
タタミの染料は
マラカイトグリーンという毒性のある染料で染められていますが、省農薬タタミは昔からの泥染めを行っています。
■タタミの縁(ヘリ)
以前は黒が主流でしたが、粉ダニが発生した時、黒の縁であれば粉が噴いたようになるため、目立たない色・柄ものが出てきました。
■粉ダニ
粉ダニは人を刺しませんが、粉ダニが増えるとそれを餌にするツメダニが発生し、
人を刺します。
■琉球表(青表)
カヤツリソウ科の七島藺(イ)草(多年生草木)[断面が箱型になっている。普通のイ草は断面が円]で耐久性や火気にも強く、ヘリをつけずに
柔道畳や農家の作業場に用いられた。
普通タタミ価格の3倍程度です。
■目積(メセキ)タタミ
琉球畳と間違われるが、最近のヘリなしの半帖
タタミはメセキタタミ(普通のイ草)です。
■縫製
以前は、タタミ床に畳表を載せ、縁を付け畳針で一針一針縫っていましたが、今はインシュレーションボードに針が通らないこともあり、機械縫いが主流です。
■タタミの寸法
各部屋の柱の芯々寸法を測り、それに合わせ製作します。
JIS呼称は・・・
京 間(本 間)六三間 191㎝ 関西、中国、四国
中 間(中京間)三六間 182㎝ 中京、東北、北陸の一部
田舎間(関東間)五八間 176㎝ 静岡以北の関東~北海道
本間の六三間は6.3尺という意味で、
中間(ナカマ)三六間は3尺×6尺という意味です。
田舎間の五八は5.8尺ということだそうですが、統一されてなくて、ややこしいですね。
その為でしょうか、タタミ専用物差し(竹、金尺)が、昔からあるようです。畳寸法に合わせた目印がついてました。
最近は和室も減り、あっても6畳一間と少ないのですが。世の中は巧くしたもので、畳屋さんが高齢化や不況で撤退していることもあり、立川畳さんは多忙を極めているようです。
タタミも日本の誇る伝統文化です、なんとか残したいものです。