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国産材コラム

「いい家を手に入れる」条件

住い考

気持ちのいい季節になりました。金環日食は、ご覧になりましたか?多くの方がベランダや道端で眺めているのを見て「みんな自然が好きなんだな。」とうれしく思いました。
 1年のうちで、暖かい、暑い、涼しい、寒いと感じることができるのは、日本に四季があるためなのですが、当たり前のようで、恵まれているような気がします。それぞれの季節で咲く花も着る服も違う。春夏秋冬楽しむことができる。実に贅沢なことです。
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 さてさて、本題に。現在、若いご家族のお住まいを手がけています。建物本体の費用とその他にかかる費用を含めてトータル1900万円(税込)です。私たちの世代では、現在の経済状況などを考えると妥当な数字。しかし、家づくりにとってはなかなか厳しく、今までに取り組んだことがない条件かもしれません。
 予算が多ければ贅沢な素材が使えますし、広い部屋もつくれます。しかし、それが「いい家」になるとは一概に言えません。大切なのは、限られた予算の中で最大限、自分の価値観に合った家づくりができるかどうかだと思うのです。
 今回の取り組み方として、坪数が最も金額に左右されるところなので、まず予算に合わせて坪数を決めることにしました。
 建築本体費の1500万円のなかで、不都合なく過ごすための最低スペックを考えると、24坪くらいの規模にしておく必要があると考え、坪数を決めたうえで、24坪で3人、後に4人の住まいは可能かどうか。
 無駄なスペース、利用頻度の少ない部屋を省く-月に数回しか訪れないお客さんのための客間、年に数回娘や息子が帰省するときのための部屋など毎日の生活にとって必ずしも必要がないスペースは設けない。見栄のための広い玄関も不要。
 自分たちが生活するための最小スペースを考える。加えて自分たちに本当にそんな広い部屋が必要かどうか。部屋というか納戸になってないか?
 そんなことを考えていくと、徐々に面積が縮小され、24坪でも狭さを感じさせないものをプランできました。
 
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なお、限られた予算のなかで、密な家づくりにするための2つ目の方策として、優先順位をしっかりつけることも大事。やりたいことを満たそうとして、その全てを無理やり予算の中に押し込もうとすると、結局どれもが中途半端になってしまいます。
 まず、ランニングコストがかからないように、後でできることは省きます。具体的に、キッチンなどの住宅設備機器は、寿命がくれば比較的容易に取り替えることができるのに対し、構造=骨組みや、断熱材など外壁に使う素材などは、取り替えようと思うと、かなりの労力と出費になります。どちらに重点をおきましょうか。
 家づくりは、建てる今が完成ではなく、住んだあとのことも考える必要があります。また次回、引き続きくわしくお伝えしたいと考えます。

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