各地で異常ともいえる暑さが続いている。事務所は
東向きに建つため、午前中は仕事にならないくらい熱い。
紺屋の白袴さながらに、サッシに断熱材を貼り付け勤務に
勤しんでいる。
若者の車離れが問われて久しいが、そればかりでなく40代未
満の持ち家離れも進んでいるようだ。国土交通省が平成24年
度の白書で、今後の施策検討のため「若者の暮らし」をテーマ
に取り上げたところ、30年前の30歳代の持ち家率53.3%が、
2008年には39%と大幅に減少している。その要因は取りも
直さず若者世代の収入の低下にあるという。一方で、賃貸住宅の
世帯数は30年前の39.7%から2008年には59.7%と賃貸
派が増大している。
今、中古賃貸住宅で自由にカスタマイズできる物件が人気を呼ん
でいるとか。若者の事情も踏まえて今後中古賃貸にも一工夫が
必要だと示唆している。
持ち家派と賃貸派、それぞれの考えがあっていいが、背伸びせず
無理もせず、それなりに、だけではいささか若者として心もとな
く感じる。他に何であれ求めてやまない目的があればいいのだが…。
先日テレビで、大谷由里子さん(元吉本興業マネージャー)の
話を聞いた。今は抽象的な言葉の意味を解さない人が多いとい
う。人格があるや人間的、気を利かす等、具体的な例を取り上
げ説明しないと通じないそうだ。
コミュニケーション下手な若者も多く、その手始めは、相手との
違いを探すのでなく、自分との共通点を探すことにあるそうだ。
見つけた共通点を糸口にして会話を膨らませば良い。またコミュ
ニケーションに躓いたとき、心の仕組みを知ることで悩みは解消
されるとも。
人には5つのWANT(欲求)があり①愛・人と関わりたい②承認・
認められたい③自由・自分で決めたい④挑戦したい⑤安心・安定
したいなど5つに分類される。それぞれの優先順位に違いが人間
関係に摩擦を生む。人は皆、違う価値観を持つことを認めあい、
どう築いていくかが大切だと解く。
よく、売れるタレントと売れないタレントの違いを問われるが、
明確な違いは、心底売れたいと望んだタレントしか売れないと
いうことだ。これは企業であれ地域振興であれ同じことだ。
とにかくWANTがなければ、心の元気に繋がらない。いずれに
せよ若者と呼ばれる時間は短い。大なり小なり自分のWANTを
出来るだけ早く見つけ、輝いて欲しい。
(「木族」2013年8月号より)