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国産材コラム

いついかなるときも

きの家、木の家、スギの家

識者は言う。

「国家百年の計として、生活の場所を少しずつ、もっと

山手に移す必要があるのでは?」と。

 

あの、町全体が津波に飲みこまれる映像を見れば、至極

もっともな考えのように感じられる。

地震国・日本で海岸近くに住む限り、津波に襲われるリスクは

免れない。だから人は山に生活圏を移すべきか。

 

 

以前から、過疎化の問題もあって、人はもっと山に住んで

ほしいと思っていた。山を、森林を守っていくためにも、

山間の人口が増えて欲しいと。

 

ただ、日本中の人間が津波の恐怖から逃れようと山手へ山手へと

生活空間を移していくとどうなるか。素人考えかもしれないが、

今以上に「開発」という名の下に自然を破壊しかねないと懸念

される。当然、雨が多い日本列島、土砂災害、山崩れが頻発しないか。

 

よくよく考えると、洋上の国・ツバルの現状が他人事ではない。

「ガラスの地球」とはよく聞くが、最近の自然災害の多さに、

「吹けば飛ぶような日本列島」との言葉も出てきそうだ。

 

被災地の立ち直りを、祈るとともに信じている1人ではある。

そして南海大地震も噂される地区に生活している者として、

いずれは自然災害に遭遇するという「覚悟」だけは持っていたい。

 

今回、世界から賞賛された事柄を踏まえ、いついかなるときも、

冷静に、人間らしく行動したいと痛感している。祈・復興。

(「木族」2011年4月号より)

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