先日テレビにて、「木造住宅は20年から30年しか持たないので・・・」という言葉が耳にとまりました。固定資産税の基準で木造住宅は22年で課税価値がゼロになる。それを参考にしての発言かと思いますが、実際はどうでしょうか?
築150年の古民家の改装の設計をした時に実感した事が3つあります。
1つめは、代々住み続けるには、その家を愛しながらメンテナンスをし続けることです。ご家族でとても大切に家を守り、次の世代に渡す事をよく考えられていました。
2つめは、床下がよく乾燥していることです。家は床下に湿気があると傷みが早くなります。このお家の床下はとてもカラリと乾燥し、洗い工事の時に水が溜まるぐらいに乾燥しても、みるみるうちに乾いていくほどでした。
3つめは、構造が国産材であること。150年前ですから輸入材はなく、オール国産材です。ただ、昭和40年代に改装された時に松の大きな梁に外国産材の柱をとりつけたら、その柱からそれまでに無かったシロアリの被害に遭われました。日本の風土に合った国産材を使う事が家の寿命も延ばすのかと思います。
私たちは50年ぐらい生きた国産材をよく乾燥させて骨組の材に使ってます。最低その倍、100年ぐらい以上は問題なく持ちます。ただし、床下の乾燥に留意し、こまめなメンテナンスが必須です。
国産材で建てることによって、長持ちで代々受け継がれていく家になるかと思います。
(建築士・ライフオーガナイザー=細江由理子)
~2025年木族2月号より~