先日 、建築士の資格学校で同じクラスだった知り合いから同窓会のお誘いを受け、物珍しさに参加しました。当時はひたすら課題に追われ殺伐としていたので正直あまりいい思い出はありません。10年ぶりに集まった顔ぶれは、すっかり誰だか忘れてしまい、当時の先生だけは良く覚えられていて「君はこんなだったね」と、一人一人に語りかけてくださいました。資格学校のたかが数か月の付き合い。未だ現役講師なのに凄い記憶力だと思います。
大手ゼネコンの設計さん達は公共建築がどう、コンペがどうとかの話に盛り上がり、肩書も知らずそんな人たちと机を並べていたとは、という気持ちになりました。
また建築関係者が集まると往々にして過去のやらかし自慢が始まります。一番は現場監督が地盤の掘削中に湧水を汲み上げすぎて隣のビルが傾いたというもの。そんな時、不思議と東北地方に逃げがちです。私の過去一番は品番を間違って伝えて、リビングの天井に和柄のクロスを貼ったこと。ビルを傾けたのに比べたら可愛いものだと思います。
(建築士事務所民家・設計部=矢野祐子)
~2024年木族10月号より~