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国産材コラム

住み継がれる住まいの改装、全力で

暮らし方上手

母が他界して7年経ち、実家の管理を私がし始めて約10ケ月。エレベーター無しの実家のある公団マンション(3階)へ移り住むのは難しく、賃貸にするにも改装費が嵩みそうで、姉とも話し合い、心苦しいのですが手放すことにしました。未だ買い手はついていませんが、遺品整理の段取り中です。

 

以前に衣服や整理できるモノは処分しているので、大きな家具や電化製品、布団等がメインです。姉から「不要なモノだけど思い出のあるモノばかりだから業者選びは慎重にしてね」と言葉が添えられました。

 

幼い頃に引っ越してきてから50年は経ちます。私の家族の思い出が詰まっている家なので、決心したものの心が揺れます。

 

ポストの確認と、風を通しに帰る時は、母の抜け殻のような実家は寂しいので、一人で帰ることができず、近所にあるお墓参りも兼ねて、いつも夫と長女について来てもらいます。売れてしまうと、帰る家もなくなり年1~2回のお墓参りだけになるのも寂しいです。

 

6月と8月に見学会をさせていただく中古住宅の改装は、空き家になっていたご実家の改装工事です。着工前にご両親の遺品整理をされているお施主様の姿を見て、思い出のモノと向き合う辛い作業かと見受けましたが、ご実家を活かし住み継ぐことがご両親への供養にも感じ、とても羨ましくなりました。

 

ご両親と過ごした空間をリニューアルして、秋に生まれるお孫さんを迎えられます。家族が集い、過ごしやすい住まいになるよう精一杯務めさせていただきます。お施主様のご厚意で開かせていただく見学会です。改装のご検討をされている方は参考にしてください。

 

(建築士・ライフオーガナイザー=細江由理子)

~2024年木族6月号より~

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