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国産材コラム

フリールームの奥深さ知る

その日ぐらし

先日ネットで「無駄な間取りに憧れてフリールームを作って後悔した」という記事を読みました。家を建てる際、妻が読書をするというのでフリールームを作ったが、結局妻は使わず、ネット記事の筆者である夫がハンモックやサンドバックを吊るしたものの、やがて使わなくなり、ドラムセットを置いたがそれも飽きて、今は物置と化しているとのこと。

 

フリールームとはその名の通り用途を決めない部屋。この筆者はフリールームで様々な趣味にトライし、やがて収納場所とし、むしろ有効活用しているようにも思えます。また筆者が無駄を感じているなら念願通りの「無駄な間取りの家」になったとも。

 

とは言えこの家の設計士はどう提案するべきだったのでしょうか、無駄を希望する施主に無駄があるのは無駄だと止めるべきだったのでしょうか。

 

ちなみに我が家にもフリールームがあります。メゾネットマンションの1階にあり、駐車場にしています。なぜか同じ間取りの隣の家は当初から室名が駐車場となっていたため共用部分扱いになり、毎月駐車料金がかかっています。

 

じゃあうちは得だったのかと言うと専有面積が増える分、管理費が高くなり結局のところプラマイゼロです。将来共用部の大規模修繕工事から外れるとなるとむしろ損です。

 

フリールームの自由度に囚われる先のネット記事の筆者と、フリールームの規約に囚われる私。フリールームの奥深さを感じています。

 

(建築士事務所民家・設計部=矢野祐子)

~2024年木族2月号より~

 

 

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