年々暑さが増しているように感じます。30数年前、実家(神戸市北区)に住んでいた頃は、都心よりも涼しい地域ということもあり、エアコン無しで扇風機だけで問題なく暑さを凌いでいました。その後堺市に住むようになっても、ほとんど冷房を使わずに過ごしていたのが今では懐かしいです。
冷房の風が苦手で、その風にあたると体調を崩す方が、5年前の新築時に「エアコンは使いません」と言われ、電源だけ用意をしてエアコンは取付けしませんでした。
しかし昨年、熱中症対策で渋々エアコンを取付けられたのですが、冷たい風で体調を崩すので、どうしたらいいでしょうか?と今春にご相談を受けました。
断熱材もしっかり入っている家なので、エアコンを少し使えば快適に過ごせるのですが、どんなにエアコンの設定温度を上げてもエアコンの風は冷たく冷たく感じられるようで、かといって扇風機では室温が下がらないので困られていました。
風が出ない冷房機「クール暖」という輻射熱を利用した製品が良いのではと思い提案しましたが、器具設置で部屋が狭くなり、部屋の使い勝手が悪くなるので計画段階で断念しました。
他にも色々と検討した結果、ご本人が一番しっくりときた方法は、とても非効率ですが、エアコンを設置して隣りの部屋で過ごし、間接的に隣りからサーキュレーターで送風し、部屋の吸気口を開き換気扇を24時間稼働して暖かい外気を入れ、隣りからの冷気に混ぜて緩和する方法です。異例ですが、この夏試されています。
家の性能(断熱等)と冷暖房のことも10月のパッシブハウスのセミナーで解説します。是非参考にして頂きたいです。
(建築士・ライフオーガナイザー=細江由理子)
~2023年木族8月号より~