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国産材コラム

「根拠のない当たり前」を反省

暮らし下手

【憧れの広々LDK?】

先日、新築の打合せで「リビングをもう少しコンパクトにして欲しい」とのご要望を受けました。

 

12畳ほどのリビングダイニングを提案していましたが、家族もそれぞれ独立され、食事以外それぞれの個室で過ごすため大きさは必要ないとのこと。どうせならリビングは広い方がよいだろうと、根拠のない当たり前を基準にしていたことを反省しました。

 

家族4人だとこれくらいは必要かな?夫婦2人ならこれくらいかな?など基準はあるにせよ、ダイニングテーブルの大きさ、ソファーの有無、過ごし方で、必要な広さはずいぶんと変わってきます。家族が多くとも一緒に過ごす時間を親密に過ごすためコンパクトにすることもあれば、夫婦2人でもゆとりのある距離感が欲しい場合もありますよね。

 

過去に設計した事例では、夫婦2人の住まいで4畳のダイニング(食事はカウンター)に6畳の和室(リビング)で設計したこともあれば、同じく夫婦2人でLDK一体の24畳の広々ワンフロアの事例もありました。

 

また、広いLDKが欲しいと要望された時、よくダイニングテーブルの使い方を考えます。例えば、ダイニングテーブルの上にペン立てや雑多な物が置かれた一角はありませんか?新築やリフォームを計画するときに、ダイニングの近くに家事スペースや収納を確保すると、使い方が整理されて広さがなくても使いやすいダイニングになることが多いです。

 

海外では朝食のためのテーブルと夕食用のダイニングを分けて作ることも多いそうです。朝と夕方で光の入り方は変わるし集まる人数も変わってくるので、面積にゆとりがあれば是非提案したい間取りでもあります。

 

ちなみに今回は、窓を工夫して家族がそれぞれの個室からリビングに集まりたくなるほど、居心地の良い場所にしたいと思います。せっかく家族なんだから、とちょっとお節介でしょうか。

 

(建築士事務所民家・設計部=中津真)

~2023年木族6月号より~

 

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