『山に入るとクマが「出る」のではなく、クマはそこに「いる」んです』
-これは某環境NGOの説明。
ヒトが生活の向上を求め、また人口の増加を是とすることによって、
山は次々に住宅地にされる。そこに住んでいる多くの生き物(植物や
菌類も含む)は生きる場所を奪われる。
もちろん、これは人類が森を出たときから行われてきている事柄。
つまりはその延長線上にある。クマの被害は、クマにとっても悲しい
必然と言えるかも知れない。
問題としたいのは、もっと大きな規模での「自然界からの反抗」。
クマは具体的に目に見える。始末に負えないのは見えないものでは
ないだろうか。最初に挙げたいのは空気、また菌・ウイルス等々。
いったん問題が起きると対応は非常に困難になろう。
経産省は、CO2削減は企業が目標を決めるという他人任せの案を
提出した。首相自体、経済最優先の策しか考えていない。世界も
まだ環境問題を軽視しているように思える。
ヒトは「パン」だけでは生きられない。地球も「ヒト」だけで
守れるものではない。まずはヒト「だけ」の都合を考えるのを止めて
もらえないか。
多くの識者が、環境と経済は両立すると考えている。個々の利害を
叫ぶのではなく、この点をぜひ掘り下げていただきたい。
(「木族」2010年12月号より)