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2011.01.18
間伐材から始まった 2
列島改造論で、建てれば売れる時代にあり、
検査した中には何の工法なのか判断しかねるような粗悪な住宅も多かった。
孫請け、ひ孫請けはざらで、大工には程遠い職人でも仕事はあった。
ミニ開発の宅地造成も盛んで、
廃材で埋め立てられた宅地に雨水が溜まり、床下が池のようになった現場もあった。
あきれ果てるような実態に、日本で最初の「欠陥住宅の一般公開」を
奈良県で行ったのである。
センセーショナルな訴えに、見学者も引きを切らず、
中には明らかにソレ風の人もいて、猛々しく「どこが欠陥か」と怒鳴る場面もあったが、
大勢の見学者の射るような眼差しに、そそくさと帰っていった。
実際何が起こるかといった不安もあり、
警察官に町内を数時間おきに警邏してもらった。
反響は大きく仕事は多忙を極めたが、悩む人から多大な検査料を受け取ることに戸惑いがあり、
入会金3千円、年会費2千円、基本検査料1回3万円(1人)では、
当時といえども採算の取れる数字ではなかった。
素晴らしい先見性と発想は現在に至っても敬服に値するが、
どうも経済的視点に立って思考する回路とは、通じていなかったようだ。
一般には半官半民的な活動との誤った認識をもたれ、
ほとんどの相談者は一日を費やし、こと細かく業者との経緯を語るが、
収益には全く結びつかなかった。
裁判になれば、建築に精通する弁護士も裁判官もなく、
係争中の7?8年を傾いた家で生活しながら
ローンを払い続けなければならない建て主にすれば、
経済的、精神的ダメージは計り知れない。
欠陥住宅の問題点は、建物のみならず、精神までも欠陥にするところにある。
やり場の無い怒りが鬱積した。
ーつづくー
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