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2010.11.26
使えまへんで・耐震補助
築45年の土壁の家の
耐震リフォームをしたいというご相談です。
できれば耐震の補助金を受けたいとのこと
「昭和41年に
まだ若い大工さんが一人でコツコツ建てたので
長いことかかりました」ということですが
いい棟梁につき教えを受けたのでしょう
外周だけでなく部屋の間仕切りも
竹小舞を編んだ土壁仕様で
伝統工法(貫工法)で
大方、一年がかりで建てられたようです。
昭和41年といえば、高度成長で
ハウスメーカーさんが
分譲地を次々に開発し、
プレハブや2×4に
在来工法に新建材が広く使われ(今も同じですが)ていました。
筋交いや火打ち梁といった斜め材を入れない
伝統工法の耐震補強となれば
耐震補正をするにも
基礎工事から考えないとクリアしないなど
施工費にお金がかかり過ぎます。
一番簡単な方法は
重たい屋根を軽くすることですが
入母屋の立派な屋根瓦を降ろし
どっさり積まれた土を取り払い
痛みが懸念される
野地板(瓦の下地)を張替え
耐震性のある屋根瓦に葺き替え、
樋工事などを加算すれば
それだけでも7?800万円の膨大な額が嵩みます。
お金をかけて葺き替えてもご子息が
住み継がなければ、
意味がありません。
選択は息子さんのお返事次第ということに
前栽の植木も年月を経て趣を増しています。
願わくば取り壊さないで
住み継がれることを願うばかりです。
とはいうものの・・・
若い方が生活するには
間取り自体も何とかしなければ
住みづらくもあります。
注)耐震補助は、
基本的に確認申請を受けて建築し、
完成時の検査済証を受けた建物が対象です。
都市によってはハードルが高過ぎて
計画倒れになることが多いようです。
耐震補強がはかどらんと行政はのたまいますが
使えんもん、使えというのは
いとおかし





