国産材のあれこれ

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9・ 木造住宅をシロアリから守るにはどうすればいいのですか?

 

方法としてはシロアリの好まない木材を使うことと、化学的処理として防蟻剤を使うことがあげられますが、健康面や環境を考慮するとあまり薬品に頼りたくはありませんね。

林業試験所や木材利用技術センターなどでは、樹種の違う木材の暴露試験をしています。

実際に土中に樹種の違う木材を埋設して蟻害を調査するものです。

その結果、米つが・米松・ホワイトウッド(オウシュウトウヒ)などは短期間でシロアリの食害が著しいようです。

 

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(解体現場で土台に使われていた米ツガ材)

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(外周を残し内部を食べつくされたシロアリの食害)

 

ヒバやコウヤマキなどは蟻害にはあいにくい様です。

また、スギの白太部分は被害にあっても、中心部の赤身は食害にあわず残ることで、基礎パッキンのなかった頃は、パッキン代わりに猫土台として敷いていたようです。

 

 主として関西にはヤマトシロアリとイエシロアリがいますが、最近、輸入材に付いてきたといわれるアメリカカンザイシロアリが見られるようです。

 

協会では基礎や水周りにヒノキ材を使用し、床下の乾燥状態を維持することで防蟻処理はしないを貫いてきました。

 

現実、600棟近くの木造住宅の建築にかかわってきましたが、30年経過した今でも、蟻害に遭ったという報告は受けていません。

 

ところがアメリカ乾材シロアリは名前のとおり乾燥した木材を好むといわれ、広まることも懸念されており現在はホウ素系の木材保護材(エコボロン)を噴霧しています。

ホウ素系を選択した理由は・・・

ホウ素(無機質)は昔から眼やのどの消毒に使われてきました。

ホウ素は動物や人間には安全で、その他の生物に厳しいという性質を利用したものです。

哺乳動物は余分なホウ素は尿で排泄しますが、害虫や菌はエネルギー代謝がストップし、餓死してしまうそうです。

 

しかも効果が長期間持続するという防蟻材として理想的なものです。

安全面:不揮発性(無臭)、経口毒性が微弱(食塩程度)、皮膚から吸収されない、環境にやさしい、金属腐食性なし(錆びない)

京都大学野外試験場(鹿児島県・吹上砂丘)での試験で、7年間全くシロアリ被害をうけていないという実績があるようです。

 

あとは入居後、年に一度は床下の基礎部分に蟻道がないか等や、建物の周りなどこまめに点検し、毎年5~6月頃にかけ羽蟻が出てきていないか注意することが大切です。

(* 新築後、3~4年でシロアリが羽化することは無いようです。)

 

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