「ヒノキのハガキと丸太の根かぶ」 後編
国産材のPR作戦として忘れられないものがもう一つある。
昭和61年、木の日のイベントとして打ち出した「丸太の根株」の販売である。
マンション住まいの家庭にも国産材を知って欲しい。
ベランダの椅子として使うも良し、子供達に樹皮を剥がし磨かせて
自分の部屋に置くも良し、身近なところで国産材を感じて欲しいと訴えた。
チェーンソーでスギやヒノキの原木の根元部分を
45?程度の長さに切っただけのもので1本900円とした。
嵩と重量を考えると残っても困る。予め注文を受け発注することとし、
まだ交通量の少なかった大阪城公園駅前(環状線)を受け渡し場所に決めた。
大型トラックに丸太を満載し、
混乱を避け朝6時?9時までの受け渡しに「丸太の朝市」と名づけた。
新聞報道により前回のハガキに負けないほどの反響となった。
5時過ぎから駅前に引き取りの車が並び、何事かと駅員も驚く始末で、
終了する頃にはポシェットが千円札で膨れ上がった。
大阪城公園のテキ屋さんの妬みをかい、
どこの許可を受けて販売しているのかと詰め寄られる一幕もあった。
テキ屋の営業圏を荒らすつもりはさらさら無かったが、相手にはそう映ったらしい。
千円札を数えている姿を想像すれば、そう思うのも無理は無いと妙に納得した。
一般家庭だけでなく幼稚園、保育園、小学校など
30?40本取りまとめての注文も多く、
反響を知ったDIY店から100個、能面作家や彫刻家などから何度も注文が入り、
予想を遙かに上回る9,000本となった。
山崎営林署(兵庫県)にお願いし1,000個ほどは何とか調達出来たが、全く足りず
大阪営林局を通じ、鳥取、島根、岡山、和歌山、三重県とかき集めたが
運賃が嵩み1,200円の価格に修正。
「木の日」一日の筈が、引き取りに3月半ばまでかかった。
一千万円ほどの売上げに少し潤える筈であったが、計算が合わない。
朝未だ明けぬ薄暗がりに5本申し込んで7本引き取っていく人もいたようで、
商取引の上からもテキ屋に負けていた。
「木を好きな人に悪い人はいない」という竹中(当協会、故前理事長)の定説は覆された。
(2010・森林の市)
この後も建築をする傍ら、神戸市・西神中央駅の開通イベント
「人と木のふれあい広場」・大坂城公園での様々なイベント・中の島祭りなど、
殆どの環境イベントに参加した。
(大阪城イベント「食とくらしのフェスティバル」にて)
(西神中央駅・開通記念イベントにて)
いま、大阪城公園にズラリと並ぶブルーシートを見るにつけ、「丸太の朝市」を想う。
この章おわり
引き続き「見果てぬ夢に」は、国産材住宅推進協会のHPの「国産材コラム」で掲載いたします。






