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伝わる・つながる「衣食住」

弊社事務所は服飾の専門学校とも最寄り駅を共有していて、毎朝の通学時間になると奇抜で斬新な服装の学生と一緒に改札を抜けることになります。自由をそのまま着こなしているような姿に憧れる一方で、自己主張の強い若者ってなんだか取っ付きにくいなぁと接点も無く遠目から眺めるだけの毎日でした。

 

そんな中、地域と共同で準備を進めている「十三・三国アートフェス」のイベントで、その服飾学校とコラボイベントを開くことになり、学生たち10名程度が事務所に遊びに来ました。いったい建築屋が服飾を学ぶ学生に何を話せるだろうかと思案したあげく、ぐっと建築を暮らしに引き寄せて、居・食・住のくくりでお話することに決めました。

 

そう考えると、意外と衣服と建築の共通点は多く、身の安全を守るという根源的な役目はもちろん、例えば、布と身体の距離感の考え方は、広さ・狭さといった身体と空間との距離を考える事とまったく同じ。たった一枚の布も、カーテンとして間仕切りに使えば、壁と同じように空間を作る建築の要素になる。そんな発見をしたデザイナーや建築家は沢山いる。

 

前置きでそんな話をした後に「国産材の木」についてお話すると、驚くほど素直に、素材としての「木」とその背景にある環境や暮らしとの接点を共有するとこができました。同時に、大量消費される衣類や引き起こされる環境破壊にも建築と共通した課題があることを学生から教えてもらい、思わず感嘆の声が出た。すごいなぁ。

 

家づくりもファッションも、衣食住で考えれば難しい事では無いし、社会問題も案外身近にあることに気付ける。そして伝わる。建築も服装も、見た目だけが全てでは無いけれど、たまにはちょっと個性的なシャツでも着てみようかと思いました。

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